図書館から借りている本の半分ほどは、明日が返却期限をむかえます。
あいかわらずで、借りるときに読みましょうぞと思っているのですが、いつ
もさっぱりであります。これが図書館本のありがたいことで、仮に読めなくと
も懐が痛むことはありません。
明日は瀬戸内寂聴さんの「奇縁まんだら」を返してしまおうと思っていて、
気になる人についてのところを、もうすこしのぞいてみようかなと思うこと
です。
当方の年代でありましたら、このシリーズで取り上げられている人のほとん
どは名前を聞いたことがあるのですが、今の若い人たちには、ほとんどなじみ
がないのでしょうね。
本日に手にしていた「奇縁まんだら 終り」には、当方よりもすこし年長と
なるかっての有名人がお二人取り上げられています。「奇縁まんだら」は故人
を取り上げているものですから、どちらも早くになったのかと思いましたが、
お一人は48歳、もうひと方は65歳まで生きていたのだそうです。
このお二人は、どちらも犯罪を犯して、どちらも死刑の判決が確定し、48歳
で亡くなった方は刑死で、もうひと方は病気のために死刑執行が猶予されて、
その間に病死したのだそうです。
寂聴さんは、このどちらとも面会を重ね、手紙のやりとりをしていたとあり
ます。
病気で亡くなった元死刑囚の女性については、次のように書いています。
「私は常に出家者寂聴の立場で彼女とつきあってきた。彼女の犯した罪に、
私も無縁ではないと思っていた。・・
幸い私は出家者である。殺された人々をこれまで弔ってきたように、永田
さんの冥福も祈っていこう。」
出家者というのは、こういう立場にたとうということなのですね。