本の処分にとりかかる

 当方の本の片付けに先立って、亡父の本の処分であります。本日は亡父の月命

日でありますからして、とりかかるには良い日であったかもしれません。これま

では、母が健在でありましたから、手をつけずに来ていたのですが、母も亡くな

り、父が亡くなって16年が経過しましたら、思い切った処分も許されるでしょう。

なんといっても最後まで亡父が架蔵していたものですから、それだけに思い入れ

のあるものが残ったという感じです。

 ほとんどはアララギ関係のもので斎藤茂吉とかの全集とか、土屋文明の著作な

でであります。その昔にはけっこう高い値段がついていたのですね。この関係の

歌集には古書で購入して、その時の値札がついているものもあるのですが、この

歌集がそんな値段で売られていたのかと、ほんと隔世の感ありです。

 そうしたなかで一番珍しいと思われたのは、亡父が最初に参加したアララギ派

の短歌同人誌「やちまた」を主宰されていた竹井忠吉さんが、和紙に自筆して和

綴じした歌集で、それは一冊ものでありまして、美しいこともあって、これの処

分はためらわれることです。

 そんなわけで、本日は来月の初めにあります町内会の廃品回収にだすための本

を紐でしばって、山をつくっていくことになりました。最終的には、どのくらい

の山の数になるのでしょう。

 当方は、こうした作業は嫌いではありませんので、ぼちぼちとやるのでありま

すが、本に興味のない人でありましたら、なにも考えることなしに、全部捨てる

のでありましょうから、そちらのほうが時間はかからなくてよろしいのか。

 午後に買い物にいったついでに行きつけの本屋さんに立ち寄ることになりです。

本日は、今月の講談社文庫新刊であります西村賢太さんのものがあるかなと、ま

ずは、それをチェックすることにです。ラッキーなことに、これが一冊だけあり

まして、それをありがたく購入することにです。

 西村さんの作品集は、未読のものを図書館から借りて順繰りと読んでいこうと

思っているのですが、今回の文庫新刊は元版が2019年にでていますので、現在

借りて読んでいるものが2015年くらいのものですからして、これまでたどり着く

のは、まだすこし先のこととなってました。

 まずはあとがきくらい読んでもよろしいかな。

 これに合わせて購入したのは、潮文庫からでた長田弘さんの二冊目文庫本で

あります。なんとなくありそうで出ていないのが、長田さんの文庫本でありま

して、読書案内系のものが文庫になってもいいのにです。今回の潮文庫は、その

ように思っている人に喜ばれることでしょう。