わけていただきました

 先日に林哲夫さんのブログを拝見していましたら、中川六平さんの追悼集が

刊行されたとありました。

sumus2013.exblog.jp 当方が一方的に親しいものを感じている編集者の追悼集ですが、これは

なんとか手にしてみたいものと思い、発行されている方に連絡をしてわけて

いただけるようお願いをいたしました。

 本日ありがたくも追悼集を手にすることができました。こういう本の入手は

書店で買う本よりもずっとうれしいことです。

 中川六平さんについて、当方は親しいものを感じているとはいっても、まっ

たく見ず知らずの人でありまして、編集を担当した本と六平さんが書いたすこ

しの文章で、その人となりを推しはかるのみであります。

 中川さんは学年は一つ上となりますが、同時代の人という感じでして、知人

の知人くらいのところにいた人となります。当方はどちらかというと普通の就

職をするような路線を行ったのでありますが、知人のなかにはドロップアウト

いうか、何を考えているのかわからなくて、できれば就職せずに生きていきたい

という人たちがけっこういました。70年代の初めころというのはそういう時代で

ありまして、中川さんもそのようなお一人であるようです。

vzf12576.hatenablog.com

vzf12576.hatenablog.c 本日届いた本を見ていて、当方が中川六平さんの仕事に最初に触れたの

は1987年のことであったことがわかりました。こんなところで出会っていたか。

 中川さんは、大学をやっとこ卒業してから「東京タイムズ」という新聞に職を

得ることになります。東京とはあっても田舎で暮らしている当方は全く目にする

ことのない新聞であります。スポンサーは徳間康快さんだそうです。

 中川さんの文章を見て一番びっくりしたのは、次のくだり。

「(このころ、佐高信さんに週一度会っていた。『佐高信の斬人斬書』の連載を

お願いしていた。)」

 佐高さんの「斬人斬書」の最初の担当は東京タイムズの中川さんであったか。

あわてて手元にある島津書房版の上巻あとがきに目を通すことになり。

「これは一昨年(1982のこと)の夏から『東京タイムズ』に連載した『サラリー

マン読書学』をまとめたものである。

 この連載をすすめてくれたのは、同紙報道部の中川文男さんだった。いささ

か屈折を含みながらも、つねに前向きに生のエネルギーを発散させる中川さん

に励まされながら、私は自分の思いのたけを毎週一回原稿用紙に叩きつけた。

だから、ここには露骨すぎるほどに私という人間がでているはずである。そのため

に、さまざまに物議をかもしたが、その場合も、中川さんが身体を張ってバック

アップしてくれた。中川さんと東京タイムズのスタッフたちの熱い支援がなけれ

ば、とても一冊の本になるほどには続かなかっただろう。」

佐高信の斬人斬書 (徳間文庫)
 

 当方は、この本を日本橋丸善で立ち読みして購入を決めたのですが、この本

のし掛け人が中川六平さんであったか、知らなかった。

 この本は拙ブログの一回目に登場するのですが、佐高さんはその後どんどん

と疎遠になり、仕掛け人の中川六平さんのほうは、その仕事を注目するように

なったのでありますね。

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