珈琲と煙草かな

 昨晩に放送があったNHK72時間は、足利市にある屋台のカフェーが

舞台でありました。最近は手作り市などにいきますと、コーヒーを提供する

お店がでていますが、足利のお店は屋台で営業をはじめて48年という老

舗でありまして、70歳を超えるご兄弟が経営をしているとのことです。

 店を始めたのはご兄弟の父親だそうですが、屋台で始めたがいまはあ

ちこちにチェーンのお店を展開するようになったなんてラーメン屋が少なく

ないこの頃、このたいへんな屋台カフェを継続するというのは、考えように

よってはすごいこだわり。

 放送されたお客さんの様子とか、店を始めた父上の写真を見て、この

店が昭和の珈琲文化を守り続けているということがよくわかりました。

というのも、この店にはじつに喫煙者が多く集まっているように思えるので

すね。あちこちで蛇蝎(?)のように嫌われる喫煙者を受け入れる度量の

店は、なかなかないでありますよ。先代のご主人の写真も、画面に写ったの

は、パイプをくわえたり、市川昆を彷彿とさせるようなものだったりです。

 こういう店には、長く続いた店のしきたりがあるのですから、おっちょこ

ちょいが、これをみて来店し、喫煙する客に眉をひそめたりしてはいけない

のですね。そういう意味では番組にとりあげられるのも良し悪しと思いまし

たです。

 本日はお昼近くに家人を送って外出し、それにあわせてブックオフへと

立ち寄りました。当方が足を止めた棚のところは客がほとんどいませんで

したので、他の人の健康状態を気にすることもなしでありました。店内の

放送ではコロナ対策で、30分以上の立ち読みはよしてくださいといってま

した。普段であれば30分以上も立ち読みをする人がいるのでありますか。

 本日の予算はワンコインでありますからして、その予算内におさまるもの

を見ることにです。そう思っていましたら、持っているのだかどうかわからな

い文庫や、あるけどもすぐにはでてこないものなどがありまして、本日はそ

のなかから、読みたいと思ったときには見つからずの一冊を購入すること

になりです。

 ほんと、半日もかけてさがすのでありましたら、買ったほうが安いので

ありますね。逆をいえば、すぐに安価で入手できるのでありましたら、こんな

に溜め込まなくてもよしということになりますか。

 ということで、本日に購入した一冊は次のものです。

二列目の人生 隠れた異才たち (集英社文庫)

二列目の人生 隠れた異才たち (集英社文庫)

  • 作者:池内 紀
  • 発売日: 2008/09/19
  • メディア: 文庫
 

 池内さんのもので、当方が好んでいる一冊です。二列目にいる人とか、

一人おいてととばされるところにいる人のことが池内さんは好きなのですね。

たぶん、そういう生き方を池内さんも望んだのでありましょう。これと対照的

なのは、おれがおれがでありまして、こういう目立ちたがりの人がいないと

世の中はまわらないところもあるのですが、あまり友達にはなりたくないこと

でありますね。