しばらくのぞいていないな

 今週のバイトは本日でおしまいで、週末の休みにはいります。相変わらずで

すので人混みには行きたいという気分にならないことで。

 そんな気持ちで、花田菜々子さんの「出会い系サイトで70人」(河出文庫)を

読んでいましたら、このなかに「ヴィレッジヴァンガード」で働いていた頃のことが

記されていました。

  「ヴィレッジヴァンガード」といえば、当方の世代にはジャズの名盤がたくさん

録音されたニューヨークのジャズ・クラブでありますが、日本ではジャズが好きな

菊地さんが作った雑貨と本のお店でありますね。

 このお店ができたのは1998年とのことですが、もちろんその後に話題になって

いても、当方にはほとんど縁のない店でありました。

  菊地さんは、当方よりも二学年ほど上となる北海道新得町出身でありますか

ら、育った環境は、田舎育ちの当方とどっこいでありましょう。この人が、自分の

好みの本と雑貨をならべたセレクトショップを作ったらあたったのですね。あっと

いう間に全国展開して、当方の町にもフランチャイズ店がオープンしました。

 出来たころはどんな本をセレクトしてならべているのかなと思って足を運んで

いたのですが、基本的なところで菊地さんセレクトですから、切り口は面白いし、

普通の書店には並ばないものがあって目の保養にはなったものの、あまり本を

購入することはなかったのですね。

 その後、この店はテナントビルが行き詰まったこともあって閉店し、何年かたっ

てから郊外のイオンモールのなかにオープンして、すでに15年ほども営業して

いるはずです。(しばらくこの店には足を踏み入れたことがありません)

 花田さんが「ヴィレッジヴァンガード」に入社したのは十年以上も前のことと

あります。自分が好きなお店で働くことができて楽しかったとのことですが、働い

ているうちに、いろいろと感じるようになったようです。

「郊外のショッピングモールへの大規模な出店や時代の移り変わりとともに、

車内の風向きは徐々に変わっていき、本よりも雑貨に比重が置かれるようになっ

た。雑貨のほうが売るのも簡単で利益率もよかった。それに、昔は雑貨といっても

何の役に立つのかわからないような、いい意味でのジャンクなものやくだらない

ものが多かったが、いつの間にか流行のキャラクターグッズの導入なしでは、店の

売り上げを維持できなくなっていた。」

 当方の町にある「ヴィレッジヴァンガード」は、まさに花田さんが、ここでいっている

ようなものでありますね。今の店にはどんな本がならんでいるのか、これを機にちょっ

とのぞいてみることにいたしましょうか。