帰宅は深夜となり

 乗車していた電車が鹿に飛び込まれて立ち往生なんて、北海道の鉄道では

珍しいことではないのですが、それに乗り合わせているというのは珍しいので、

昨日に続いて(昨日の記事は立ち往生している車中、スマホから送信でありま

した。)話題としましょう。

 野生の鹿はどういうわけか車や電車を見ても後ずさりして逃げるということ

はなくて、逆に飛び込んできたりするのですね。車を運転しているときに鹿の

群れを見つけたりしたときは、早く通り過ぎてくれることを祈るだけであります。

 昨日の事故は、電車の運転席のある先頭車両にぶつかったのではなく、

後部車両のどこかに飛び込んで、その勢いで線路との間に巻き込まれたもの

のようです。当方の座っている後ろの方の床下からものがあたる大きな音が

聞こえてきました。そのあと急ブレーキで停車、電車と線路の間を見たら、

小動物がいたとなります。これを取り除くのにやや小一時間。そのあと運行

再開となったのですが、今度は電車の車輪のところから異音であります。

調べたら、車輪に損傷が見られるということで、やや離れたとなり駅まで低速

での運行となりました。最寄り駅で後続列車に乗り換えの予定でありました

が、なにせ一時間に一本で、次の列車も線路上に散乱していただろう鹿の

死骸に立ち往生し、遅れたことで、結局は終着まで超低速での運行で、

定時から二時間半ほどの遅れとなり、当方が自宅に辿りついたのは25時

20分となっていました。ほんとひさびさの午前様です。

 北の鉄道会社は、このようなリスクを抱えているのでありますよ。

 車中に缶詰となって、時間はたっぷりありましたので、持参していた内澤

旬子さんの「捨てる女」を読むことができました。これのおかげで退屈しま

せんでした。これに収録の文章は「本の雑誌」に連載されたものですので、

連載当時に間違いなく読んでいるはずですが、ほとんど初めて読むように

感じとなりました。

 「捨てたからこそ、捨ててはじめて湧く愛着もあるだろうか」とありました。

愛着を深めるために、捨ててみるということも必要なのかなと思います。

断捨離というのはなく、おためしで捨てるということをやってみようかなで

す。 

捨てる女 (朝日文庫)

捨てる女 (朝日文庫)

 

  二時間も電車にのっていれば、この本だけでは足りなくて、この日に購入

した本などもひっぱりだしてきて、読むことになりです。

 古本屋で戦前の岩波文庫(判型が今よりも大きいもの)を、数冊購入しま

した。当方はこのサイズが好きでありまして、現在はでていないものなどで、

好みの作家のものが見つかれば、買ってしまうのでした。

 昨日に電車で読んだのは、森鷗外の「護持院ケ原の敵討」でありました。

昭和8年7月の新刊となります。星ひとつで、110ページ。岩波文庫には、

このような作品もはいっていたのか。