積読本に手をのばす

 ブックオフで安価で買った本は、なぜか読まれずにほっておかれることが

多いのですね。

 そうした本を手に取るのは、どうも煮詰まっている時のようでありまして、

先日には内澤旬子さんの本を手にしておりました。

 内澤さんの本は、見つけたら購入するようにしているのですが、そのわりに

読むことができていないかもです。新刊で買ったのは「センセイの書斎」くらい

でありまして、これは小沢信男さんの書斎が紹介されていたからでありますね。

この本を刊行した当時の内澤さんは西日暮里あたりに住んでおられたので、

小沢信男さんとはご近所という縁でありましたです。

 ということで、先日まで手にしていたのは、「身体のいいなり」でありました。

 2005年にがんが見つかり、それの闘病と並行して、配偶者との離婚をすると

いう離れ技の本であります。フリーの編集者でありました配偶者さんは、内澤さん

の本も担当したりでありますが、内澤さんに言わせるとタダ働き優先という人で、

これではいくら割り勘でも一緒に暮らすのは難しいということで、別れることに

なるのですが、どのようなカップルでもくっつくよりも別れるほうが大変であり

ます。

 かの配偶者と別れたことで、その後の内澤さんがあるのですね。

 この「身体のいいなり」の文庫版あとがきには、次のようにありました。

「これを書かねば死んでも死に切れないぞと思ったのはむしろ豚の本『飼い喰

い 三匹の豚とわたし』のほうなのだった。」

 そういえば、こちらの本も買っておりましたです。

 そう思っておりましたら、最近の内澤旬子さんのブログで、この本を話題にして

いるのを目にしました。

「『飼い喰い』は、自分の本の中でも非常に思い入れが強い本です。何度も書ける

ような本でもないです。だけど多くの人からすれば良くも悪くも「奇書」でしか

ないのも事実です。そこのところ、まあ今となればある種の諦め(本来は諦める

べきではないのかもしれませんが)もついてはいるのですが、刊行当初はそうでも

なかった。」とありました。ちょうど赤坂憲雄さんの「奴隷と家畜」で内澤さん

の本への言及があったことに関連してです。

kemonomici.exblog.jp これは「飼い喰い 三匹の豚とわたし」も読んでしまわなくてはです。