世の中ラボ

 斎藤美奈子さんが「ちくま」で連載をしているのが、「世の中ラボ」であり

ます。先日に届いた「ちくま」7月号は111回とありますので、足掛けで10年目

にはいったのでありましょうね。

 今月のタイトルは、「期待の『歴史修正主義』批判本を読む」となっています。

「期待の」というところに、斎藤美奈子さんの立ち位置があります。

 当方が歴史修正主義の立場の人と話をしたのは、いまから20年くらいも前

のことであります。自営業の二代目かで青年会議所のメンバーで、常識的な

人でありましたが、この人の口から戦後の民主的な教育は、共産党の支持者

を増やすためのものであって、否定されるべきものというようなことをいわれた

のでありました。

 世間ではそのような言い方をする人がいることは承知していたものの、自分

の近くにもそういう人がいるということに驚きました。青年会議所組織の現在が

どうなっているのかわかりませんが、昨年だかに北海道大会のポスターを目に

して、これの講演に呼ばれている人の顔ぶれをみますと、ほとんど日本会議

の集会かなと思ってしまいました。

 田舎の町では青年会議所のメンバーは、町の若手リーダーとなるのですが、

こんなんでいいのかなと思っていたら、最近の若い目立ちたがりの議員さん

を見ますと国会から市町村まで、ひどく薄っぺらであるように思えます。

 それはさて、斎藤美奈子さんの文章に戻りますと、「歴史修正主義」の本の

最初のものがでてから、すでに二十数年になるとあって、それに続いて、次の

ように書かれています。

「この主の本はめきめき増殖を続け、教科書から慰安婦の記述が消える、近隣

諸国との関係を悪化させる、ヘイトスピーチを生む、など教育、外交、生活面で

も具体的な弊害が生じている。

 こうした傾向を苦々しく感じる人も当然いたはずなんだけど、残念ながら、有

効な反論が十分に展開されてきたとはいえない。本欄も含め、私自身、この種

の本はわりと頻繁に批判してきたつもりだけれど、ほとんど何の役にも立って

いませんからね。」

 本が売れないといわれるなかで、数少ない売れる本というのが嫌韓本、嫌

中本であるというのが、この国の現実でありまして、この現状を悪貨が良貨を

駆逐するなんていっていてもだめですね。

 ということで、斎藤美奈子さんが紹介する三冊です。 

歴史戦と思想戦 ――歴史問題の読み解き方 (集英社新書)

歴史戦と思想戦 ――歴史問題の読み解き方 (集英社新書)

 
ネット右翼とは何か (青弓社ライブラリー)

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歪む社会 歴史修正主義の台頭と虚妄の愛国に抗う

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