昨日に岩波「図書」に掲載の斎藤真理子さんのエッセイを話題にしたのですが、
これは連載の20回目にあたります。これまでもこの場で話題にしていなかった
かなと思って確認をしてみましたら、2月に「二人の同級生 後藤明生と李浩哲」と
いうのを拝見して反応をしておりましたです。
これを機に、すこし古い「図書」を確認してみようと思って、保存してあるとこ
を探ってみることにです。
というのも、昨日に編集グループ刊の文弘樹さん「こんな本をつくってきた」を
読んでいましたら、斎藤真理子さんが登場して驚いたのです。
文弘樹さんが韓国の新しい小説を、日本に紹介しようと思い「カステラ」という
作品に焦点を絞り、翻訳の交渉に入ったら韓国の出版社からすでに日本語訳がある
のでそれを使ってくれれば韓国翻訳文化院から補助がでますということで、その話
にのっかったけど、その日本語訳はちょっとこなれていないので、自分でリライト
することにしたのですが、これが時間がかかるので、だれかふさわしい人はいない
かと思って探していた時のことです。
「共通の知人を介して、ある企画の件で斎藤真理子さんと会ったんだよ。話してみる
と、韓国に留学してるし、韓国系の新聞社にも勤めたことがあるから韓国語もそこ
そこできる。それになにより、現役の編集者だったしね。
じつは別件だけど、今の日本社会にも通じる面白い韓国小説がある。その翻訳に
協力してもらえませんかと、そのとき頼んだの。少し考えさせてくださいということ
だったので、連絡を待ってたんだよね。そしたら、やらせてもらいますと返事をも
らって、原書とその訳文を渡したわけ。彼女は翻訳の経験はそれまであまりなかった
けど、ライターとしていろんな文章を書いてきていたし、何しろ編集者だからね。
読んでもらうために必要なことは経験上知ってるわけじゃない。だからそれに賭けた
の。彼女も楽しんでやってくれたみたいだし、訳文もいいものがあがってきた。」
ということで、最終的には韓国の翻訳者と斎藤真理子さんの共訳という形で、
クレインから「カステラ」は刊行され、これは第一回翻訳大賞を受けることになった
のですね。
本日に驚いたのは、あらためて斎藤真理子さんのことを検索していましたら、
そこに斎藤美奈子さんは姉とあったことです。
なんとあの姉にして、この妹ありですか、ビックリシタナモー。