先日に購入したもう一冊であります。
その昔とくらべると精神科受診のハードルは低くなっているとはいうものの、
なかなか行くまでには決心が必要であります。仕事場で、学校でうまく適応する
ことができずにうつ状態で悩んで人は、多くいらっしゃるでしょうが、早く受診する
ことで抜け出ることができればよろしいのですが。
双極性障害というのは、この本によりますと「うつ病患者さんの中に、その後
躁状態や軽躁状態が現れて双極性障害に移行する方が少なくなく、その場合
にどう対処したら良いかが大きな課題となってきた。」とあります。
うつ状態の方が転じて躁状態になるのは、もともとは躁うつ病とよばれていた
ものですが、最近の研究によって「さまざまな社会的なハンディキャップを背負っ
てしまうことなどが明らかにされるようになり、双極性障害が重大な疾患である
との認識が高まった。」とのことです。
当方の古い友人の一人が、すでに30年も前にうつ病となり、その後に双極性
障害の診断となりです。彼からは自分の病気のことをいろいろと聞かされたり
するのですが、どうしても他人事でありまして、病気のことが良く理解できません。
彼からは、自分は母親からはなまけ病といわれていると悩みを打ち明けていま
した。
彼の病気は、ずいぶんとやっかいなものであるようで、現在もまだ闘病中であ
ります。
「双極性障害という病気は決してまれな病気ではなく、患者として、家族として、
友人として、職場の同僚としてなど、それぞれの立場は異なるとしても、双極性
障害とまったく無関係に人生を送る人はめったにいないだろう。やはり、もっと
一般の方々に双極性障害のことを知っていただければと思う。」
双極性障害の体験を語ってくれる人はまだまだ多くはないとも書かれていま
した。小説家としては、北杜夫さんとか、絲山秋子さんが当事者であるといわれ
ています。