自分だけの一本か

 先日に図書館から借りた「万年筆 バイブル」を手にしていましたら、その

一番最初の章が「自分だけの一本」の選び方となっていました。

万年筆バイブル (講談社選書メチエ)

万年筆バイブル (講談社選書メチエ)

 

 ここには、次のような記載があります。

「そしてここから先は愛好家の方々にもお伝えしたいことですが、万年筆の

場合、ネットショッピングはあまりおすすめできません。お住まいの近くに文房

具店がない場合は仕方がないのですが、なるべくなら売り場で直接、購入して

いただければと思います。最初の一本を選ぶとなれば、なおさらです。」

 本当ですよね、万年筆で失敗をしたくないとすれば、このとおりでありましょ

う。

 でもあんまり慎重でありましたら、まったく面白くないことになりますので、

かくして、当方は万年筆選びに関しては失敗ばかりでありまして、どちらと

いうと値段の高いもの(当方が入手するにあたって)ほど、外れをつかむと

いうのが皮肉なことであります。

 当方などは、日本語しか書かないわけでありますからして、日本語を書く

ための道具としては、日本のメーカーの万年筆が一番研究されていて、すぐ

れているというのは、これまでの体験からして、この本にまったく同感であり

ます。

 ということで、当方がこれまで入手して使えなかった万年筆のことなどで

あります。(過去にも、これをすこし話題にしていますが。)

vzf12576.hatenablog.com とりあえず、最近手元にある万年筆を整列してみました。

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 使える状態で保管されているのは、上の9本でしょうか。(もうすこしあるかもし

れませんが、すぐにでてきたのは、これだけ。)

 このうちインクが入っていて、毎日使っているのはわずかに一本でありまして、

左から四本目のモンブラン320であります。手の小さな当方になじみ、細字で

小さな文字を書くのに適しています。日々、バイブルサイズの手帳に日記のような

ものを記しているのですが、その役割を担っています。

 もうすこし太い字を書きたいというときに使うのが、左の三本でこれはパイロット

のもの。パイロットのものは外れなしで、安定しているのですが、そのぶん面白さに

かけます。

 右の三本はパーカーですが、もちろん一番高価なのはデュオフィールドとなる

ものの、この太さは、当方の手にあまりました。結局パーカーでの一本となると、

右から二本目のスターリングシルバーのものですね。

 シェーファーペリカンは、どちらもほとんど当方の手になじむことがなしで、

こんなになじむことのできない万年筆があるのかということを、これで学習しま

した。

 そういう意味ではどの一本も無駄にはなっていないか。

 この本には、「二本目を選ぶにあたって」というのがあって、そこには、次のよ

うに記されていました。

「普通のユーザーであれば、万年筆は三本以上は併用しないほうがいいでしょ

う。というのも、持っている万年筆の数が多ければ多いほど、一本当たりの使用

頻度が減ってしまうからです。すると、使わない万年筆はインクが乾きがちに

なって、結果、本体に思わぬダメージを招いてしまうことがあります。」

 そうなんですよね。結局は何十本もあっても、使うのはせいぜい二本にとどめ

ておかなくては、ペンをダメにしてしまうのですね。

 そう思いながらも、現在ふだんつかいしている一本がだめになったら、その時

のためになんてオークションページを見たりしているのです。まったくもう、こりな

いことで。