本日に手にした本

 本日の外出先で、さてそろそろ引き上げようかと思っていたら、スマート

ウオッチにメールが届いてますとの知らせあり。見たら図書館から予約本の

用意ができましたとの連絡でありました。

 これはありがたしで、さっそくに図書館に立ち寄って本を受け取ることに

なりです。今回の予約本は松本俊彦さんの「誰がために医師はいる」であり

ました。

 帰宅してからあとがきなどをみましたら、これに収録の文章のうち「医師は

なぜ処方してしまうのか」を除く10章は「みすず」に掲載のものであるとあり

ましたので、まずはこの文章を読んでみることにです。

 以前にも記したことがあるはずですが、当方の親しい友人に双極性障害の人

がいて、彼からその病気との付き合いの大変さをよく聞かされています。

医師や薬との相性とか、不安と睡眠障害のことなどですが、彼の場合は病歴が

35年くらいになって、通院している病院ではベテランの患者ということで、若

い医師などはやり込められているようであります。

 高齢になって、すこしは穏やかになっていくのではと思うのですが、周囲の

期待はむなしくで、入院することはないものの、家庭内も含め人間関係の構築

に苦慮しているようです。

 当方は彼との付き合いはもう半世紀でありまして、彼の人となりについては

付き合いの浅い医者よりは良く承知しているつもりですが、そうした医師が病

気はみるけども、人をみることはできていないのではと思うことです。

 そんなことを思いながら、手にするのは当事者としては絲山秋子さんの本で

あり、精神科医 松本俊彦さんの本であります。

 本日に読んだ松本さんの本で印象に残るところです。

「ご婦人の『手のかからさな』とは、実は援助希求性の乏しさや、人間一般に

対する信頼感、期待感のなさと表裏一体のものであった、ということだった。

彼女もまた『人に依存できない』人だったのだ。そのような患者が、治療経過

のなかで予期せぬネガティブな出来事に遭遇し、あるいは精神的危機に瀕すれ

ば、どうなるのか。無力感を否認し、まやかしのセルフ・コントロール感を

維持するためには、手もとにある『藁』にしがみつくのは容易に想像がつく。

彼女の場合、その『藁』がベンゾであったのだろう。」

 なんとなく、当方の友人に共通するような話題でありまして、彼は人に依存

することができるようになるのでありましょうか。