久しぶりに行きつけの本屋へといって、新刊の本をチェックです。行きつけと
いうのですから、最低でも週に二回くらいは行ってなくてはですが、ちょっと自宅
から遠いせいもあって、二週間に一度くらいの頻度になりです。
この本屋さんは中央社から配本を受けているせいもあって、思いがけずに
面白いものが見つかったりもするのですが、今回は岡崎武志さんの新刊が入荷
していたら買いますよと思っていったのに、これは残念でありました。
ねころんでつながりであります。当方はすっかり記憶からとんでいたので
ありますが、小林信彦さんの書名をお借りした格好であります。岡崎さんは
漢字で「寝ころんで」と表記していますので、こちらも小林さんへのオマージュ
本でありますか。現物で確認していないので、これは当方の推測となります。
そんなわけで買ったのは、次のもの。
講談社文庫、先月の新刊です。この本がでていたことは、全く知らずであります。
新聞広告で講談社文庫もチェックしているのですが、見事に見逃しです。
西村賢太さんは、「本の雑誌」のコラムで「藤澤清造」ものの企画についてほのめ
かしをしていて、それを見ましたら、今年あたりに長年の懸案である藤澤清造全集
がでるのかなと思いましたが、ほのめかしていた企画は、このあたりのことである
のかなであります。
この「藤澤清造追影」というのは、ひょっとすると文庫オリジナルではないのかな。
これまでこうした本がでた話は聞いたことがないし、このタイトルで検索してもヒット
しないからして。
この文庫のカバーを見ましたら、講談社文芸文庫の近刊予告があって、2019年
夏に「藤澤清造 負の小説集」が刊行予定とあります。もちろん、これは西村さん
が「厳選、編纂」するものとなりです。
藤澤清造なんて、2000年当時ほとんど誰も知らなかったが、それから20年経過
して、新潮文庫に引き続き、講談社からもでることになったのは、西村さんの引き立て
がすべてでありますね。
没後弟子なんてことを言ったのも、西村さんが最初か。
西村さんは、藤澤清造さんの完全な全集を作るために命をかけているわけであり
まして、どこまでいっても完全とはならないのでありましょうから、西村版の全集は、
いつまでたっても世にでないのでありましょう。この全集は、西村さんの命と引き換え
ですから、この全集の刊行は、西村さんが亡くなるときとなるのでありましょう。
この全集を刊行して、西村さんの一生は完結するのか。