本日の午前に庭仕事をしているときに、郵便屋さんが「図書」と「波」を
届けてくれました。どうもありがとうです。
早速になかを確認することになりです。「図書」で気になるのは、加藤典
洋さんのコラムですが、うれしいことに今月は健在であります。このコラムの
連載が続いているうちは、亡くなったことは実感されないことです。
「波」には小林信彦さんの書評が掲載されていました。取り上げている本
冗談音楽の怪人・三木鶏郎 :ラジオとCMソングの戦後史 (新潮選書)
- 作者: 泉麻人
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2019/05/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
いまから70年ほど前の戦後まもなくから活躍した才人について泉さんが
取り上げていますが、そろそろ70歳という当方にとっては、ものごごろついた
頃にラジオから流れる音楽を作った人であります。もちろん音楽にとどまらず、
後に著名となるスタッフをたくさん抱えていて、ラジオ、テレビ業界をリードし
た制作グループです。
小林信彦さんは、このグループのメンバーたちととても親しい関係にあり
ましたが、メンバーにはならずでした。
この書評の書き出しには、次のようにあります。
「三木鶏郎の仕事について、簡単な一代記と共に二百枚ぐらい書いておけれ
ばな、というのが、私たち昭和ヒトケタ人種の願いであった。あまり、長い文章
は鶏郎グループ向きではない。二百枚ぐらいがち丁度いい。
私など丁度よかった年代ではある。しかし、そう言いながら実行できなかっ
たのは、あまりに近いところにいたから というせいもある。」
小林さんは、「あまりに近い」のでありますね。この書評の最後には「著者の
興味がCMに向いているからであろう」と終わっているのですが、この書き方を
見ると、小林さんが書くとしたら、戦後まもなくのことが軸となったのでありま
しょう。
今回の「波」の編集後記は、小林信彦さんに言及しています。
「小林さんは脳梗塞で倒れてからの日々を『生還』(文藝春秋)という本に纏め
ています。いかにも一筋縄ではいかない作家らしい闘病記。作中、次女の方が
介護に、仕事の交渉にと活躍されます。実は『文藝春秋と同じクラスの出版社
に在籍する彼女』とは長い知合いなのですが」とありまして、ここで小林さんの
次女さんが新潮社に勤務していることがあかされています。
この編集後記によりますと、「生還」で描かれている次女さんは、「本人の口
調も表情も、動作さえ彷彿させる」ということですから、次女さんの登場する
部分だけ、また読んでみましょうかな。