ひさしぶりの太陽

 おひさんがでたのは、いつ以来のことでありましょうか。バラの季節に雨は

ほしくないと思っていたら、ここのところずっと雨ですこし遅れて見頃をむか

えたバラたちは雨のために、花がすっかりだめになってしまいました。

雨のなかバラの花をつむのはたいへんでありますので、雨があがって、水滴

が葉から落ちるのを待っておりました。おひさんのおかげで、本日の午後から

は花を落としたのですが、20リットルの大きゴミ袋一つ分くらいになりました。

すこしすっきりとしたのですが、もうすこしゆっくりと花を楽しみたかったこと。

 庭仕事の合間に図書館から借りている「冗談音楽の怪人」を読んでおり

ました。

冗談音楽の怪人・三木鶏郎 :ラジオとCMソングの戦後史 (新潮選書)

冗談音楽の怪人・三木鶏郎 :ラジオとCMソングの戦後史 (新潮選書)

 

 当方が生まれたころにラジオ番組で活躍された三木鶏郎さんですが、子どもの

ころは、いまだ三木さんの影響力が大きかったと思うことです。三木さんが育てた

人たちが活躍するのは、ちょうど小学校に入ってからくらいですものね。

 当方の子ども時代は、家族だんらんの時に聞いていたのはラジオでありました

から、中村メイコとか楠トシエさんの番組はとっても楽しみにしていたのですよね。

特に中村メイコさんの人気たるやであります。紅白歌合戦の司会を1959年から

3年連続で担当したということですが、中村さんの前年は黒柳徹子さんで、これが

あまり評判がよろしくなかったはずで、それだけに中村さんの株が高かったといえ

るでしょう。

 最近は美空ひばりの回想番組くらいでしかお顔をみることができない中村メイ

コさんでありますが、あのようなタレントぶりを、現代の子役あがりの人は見せて

くれるかな。

 当方の好きなメイコさんの役柄としては、「新宿芸能社」シリーズの森繁久弥

奥さんを演じたものがあります。森繁はすべてに出演しているようですが、中村

さんは最初の作品だけのようです。

 三木鶏郎さんの本を読んで、当方に一番なじみの出演メンバーは中村メイコ

さんであったかなと思うことです。

 著者の泉さんは1956年東京生まれでありまして、同時代で三木さんの世界に

ふれることのできたぎりぎりの世代。このような著作を残してくれてありがとうで

ありますね。これにまとまった文章が連載されていたのは「新潮45」とのこと。

これがあっさりとなくなってしまったのは、やはりもったいないことでありますね。