いつ以来のことか

 昨日に山鼻村様から書き込みをいただいて、週刊文春に連載している小林

信彦さんの「本音を申せば」が、現在発売中の7月8日号で終わると教えて

いただきました。

 小林さんの「本音を申せば」は、以前は文庫本になったら購入して読むこと

にしており、最近は(特に大病してからは)単行本にまとめられたら購入して

読んでおりました。

 よほどのことがなければ週刊文春に掲載のものを読むことはなくって、読ん

だのは通院している歯医者の待合室においてでした。先日に数年ぶりで歯科医

院にいって、週刊文春を手にすることを楽しみにしていたのですが、最近の

コロナのせいでしょうか、雑誌はすべて撤去されて、そのかわりにTVがおかれ

ていました。これは残念なことと、そのときは思ったのですが、書き込みをい

ただいたのは、その数日後のことでした。

 そんなわけで、小林信彦さんの「本音を申せば」が終わるのであれば、最後

くらい掲載誌で読みたいと「週刊文春」を購入することにです。

ところで「週刊文春」っていくらするのであります。そもそも週刊誌を買った

のはいつ以来のことかでありますし、「週刊文春」を買うのは初めてではない

と思いますが、ほとんど記憶がないことです。(その昔に、坪内さんの連載が

掲載のころは、かなり立ち見をしたのですが。)

 小林信彦さんの最終回(連載1117回だそうです。)は、「数少ない読者へ」

となっています。小林さんは、週刊文春を購入する人のうち、かなり少ない

人を読者として想定していたのでありますね。

 週刊誌で小林さんのコラムを楽しみにして、単行本になったらそれを購入す

るという人は少数であったかもしれませんが、週刊誌は買わないが、単行本は

欠かさず購入するという人もいるということをご存知であったろうかなです。

 今回のコラムでは、最近の世情について記しているのですが、これは五輪と

コロナのことになりますが、もちろん小林さんは五輪というものに否定的で

ありまして、小林さんの東京五輪の思い出の最初は「皇紀2600年記念」のもの

でありました。

 連載の最終回で、次のように書いていました。

「二十年少しつづいた私のこの連載もこの回で終る。どの程度の読者の支持が

あったのか私にはわからない。本当にあっという間という感じだ。

 私の好きだった神吉拓郎氏のエッセイが『週刊文春』にのっていた。・・

たまたまそのあとの連載を引き受けることになり、初めは『人生は五十一から」

というタイトルであった。私の気分もそういうことだったわけで、戦前のアメリ

カ映画『人生は四十二から』を思い浮べていた。容易なことではないぞ、という

気持ちだった。」

 当方が最初に手にした文庫本は、もちろん「人生は五十一から」でありました

ので、連載開始は小林さんが五十代のことと思っておりましたが、現在の年齢か

ら二十年すこしを引き算しますと、開始のときは六十代でありまして、それに

しても好奇心と活動的なことは驚くばかりでありまして、こうした先達のことを

道しるべにして、これからを暮らしていかなくてはです。