「本の雑誌」 10月号

 先日に届いた「本の雑誌」10月号です。

本の雑誌388号

本の雑誌388号

 特集は「角川春樹伝説!」です。
角川書店」というのは消滅して、いまや漢字で書く「角川」という出版社は「角川
春樹事務所」だけなのでしょうか。
 巻頭におかれた特集のトップは坪内祐三さんによるインタビューですが、当方は
角川春樹さんの世界になじんでおりませんでしたので、これはなかなか興味深いもの
です。一番はなばなしかったころの角川春樹さんには、なんの興味もありませんでし
たのですが、それから時間がたって、あたらしく起こした出版社のハルキ文庫の詩集
シリーズなどを購入するにいたって、なかなかよくやっているではないかと思うよう
になったものです。
 その昔の角川春樹さんには興味がなかったと思っていたのですが、坪内さんによる
インタビューの最初を見て驚きでした。
「昔、常盤新平さんと角川さんの話になったことがあるんです。1970年代初めの角川
文庫のアメリカ文学ってすごいんですよ、という話で、どうしてあんなにクオリティ
が高かったんでしょうと聞いたら、常盤さんが、あれは角川春樹さんなんですよと。」
 知らなかったな角川文庫といえば、売れる文庫しか出さないのだと思ったら、あの
アメリカ文学の仕掛けも角川春樹さんであったのか。先日に拙ブログで話題にした
角川文庫は、そうだったのか。
(残念ながらリンクをはることはできないのですが、「彼らは廃馬を撃つ」とか、
ライザ・ミネリ主演映画「くちづけ」はともに角川文庫でありました。)
 そう思って、昨日にすこし大きな本屋で文庫を見ていましたら、ハルキ文庫のとこ
ろに、次の新刊がありました。どうしてハルキ文庫にこの本がはいったのかはわかり
ませんが、春樹さんにはこれにひらめくものがあったのでしょう。
高階杞一詩集 (ハルキ文庫 た)

高階杞一詩集 (ハルキ文庫 た)