最近の新刊から 2

 幻戯書房は、みすず書房小尾俊人さんのスピリットを引き継ぐ会社であるという
当方の見方は、あたっているのかどうかですが、会社を作った辺見じゅんさんにすれ
ば、出版者としての角川源義さんと、編集者小尾俊人さんへのオマージュがあったよ
うに思います。
 業界の内部に通じている人にすれば、辺見さんの脇にはこのような人たちが控えて
いて、どうしたこうしたということになるのでしょうが、まあ、当方の憶測は門外漢
によるかってな話であります。
 そういえば、昨日に「幻戯書房」からでた本として紹介した常盤新平さんのものも
みすず書房からでた宮田昇さんのいくつかの著作とつながる(宮田さんが朱筆という
ペンネームで連載していたのは「みすず」でありました。)内容と思われます。

翻訳出版編集後記

翻訳出版編集後記

新編 戦後翻訳風雲録 (大人の本棚)

新編 戦後翻訳風雲録 (大人の本棚)

 宮田さんの「風雲録」の最初は「本の雑誌」連載でありましたから、本の雑誌社
いい仕事をしているといえるでしょう。
 ということで、みすず、幻戯、本の雑誌につながる分筆家を、も一人あげてみるこ
ととしましょう。
四百字十一枚

四百字十一枚

東京タワーならこう言うぜ

東京タワーならこう言うぜ

文庫本宝船

文庫本宝船

 坪内さんの「論座」に連載したものがまとまって、それがみすず書房からでた時に
は、すこし驚きました。その次に「エンタクシー」連載以外のものがまとめたのは
幻戯書房で、文庫評の金字塔ともいわれる「文庫本を狙え」をまとめたのが「本の
雑誌社」でありまして、なんとなく、この流れには気概のようなものを感じません
でしょうか。