みすずの本棚 2015秋

 みすず書房から「みすずの本」を特集した「パブリッシャーズ・レビュー」が届き
ました。もっぱら自社の出版物について取り上げる4ページのタブロイド版ですが、
最近の新刊、これからの近刊、それに年内予定のものなどが紙面で話題となります。
 最近の新刊で、当方が気になっているものといえば原武史さんの次のものです。

潮目の予兆――日記2013・4-2015・3

潮目の予兆――日記2013・4-2015・3

 これは「みすず」に二年間連載された原さんの日記です。もちろん、発表するため
に書かれたものですが、かなり歯に衣きせずのものです。「みすず」連載時には、
これを読むのを楽しみにしていましたが、これまでのものをそろえて読み返すという
のは、たいへんですので、どこかでこれを借りて読むことができないかと思っており
ますが、町の図書館にははいっていたでしょうか。(検索をかけてみましたら、
図書館にありで、幸い借りられていないようなので、早速あしたにでも借りにいく
ことといたしましょう。)
 今月の下旬刊行予定ということであがっているのは、森まゆみさんのもの。「森のなかのスタジアム」なんて、メルヘン小説のタイトルのようで、森のなかの
スタジアム讃歌のようにも思えますが、もちろん真逆でして、この「みすずの本棚」
のリードでは「暴挙の全てがわかる唯一の書」とあります。オリンピックに夢と希望
を託した時代があったのは、この国にとって紛れもない事実でありますが、今もそう
なのでしょうか。
年内にでる予定の本としてあがっていたものに、次のものがありました。
  宮田昇 「小尾俊人の戦後」 
 宮田昇さんは、翻訳エージェンシーのおつとめになっていたかたで、その関係の
著作があることは承知しておりましたし、最近は「みすず」に小尾俊人さんについ
て連載もしていたのですが、いまほど検索をかけて、この方がかって「みすず」に
「朱筆」をペンネーム出版太郎名で連載していた方とは知りませんでした。
 「本の雑誌」や「みすず書房」から著作の刊行がありますので、これを読んでみ
ることにいたしましょう。     
新編 戦後翻訳風雲録 (大人の本棚)

新編 戦後翻訳風雲録 (大人の本棚)