日曜日の新聞読書欄を、二紙ほど見ることができました。
朝日新聞では、「思い出す本忘れない本」という欄に振付師のラッキー池田さんが
登場して、次の本をあげていました。
- 作者: 大森望,日下三蔵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2012/06/28
- メディア: 文庫
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作品には知るところがないはずです。ラッキー池田さんについても、テレビでみかけ
ることがある人で、最近は「妖怪体操」の振付けで話題になったっけというくらいし
か知りません。
この欄は、ラッキー池田さんがはなしたことを記者(?)さんがまとめたものとあ
るのですが、そのまとめ方が上手なせいでしょうか、とても池田さんの思いが伝わっ
てきたことです。
この欄の、池田さんの結語となっている言葉です。
「 残りの人生で今後はもうSFしか読まない!と決意させてくれた一冊です。」
池田さんは1959年生まれとありますので、まだまだ読書人生は長く続くはずですが、
このように言い切ることができるというのは、それだけこの「年刊」の舞台となった
2011年がインパクトの強い年であったということですね。
ラッキー池田さんという人にあらためて関心がわきました。
次は地元紙の読書欄にあったものです。
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2015/06/12
- メディア: 単行本
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というものもでていました。今回のものは、そのうちに書店で手にしてから購入しよ
うと思っていたものですが、いまだ手にする機会がありません。
そう思っていたら(というか、でていたことも忘れていた頃になって)、新聞読書
欄で取り上げがありました。評者は酒井忠康さんでした。
当方の目にとまったのは、酒井さんが堀江さんのあとがきがよかったとあったところ
です。いま、この掲載紙が手元にないのですが、あとがきには「宇佐見、小平林檎園、
そして堀江」のかかわりが書かれていて、これについてでありました。
拙ブログにぽつらぽつらと「小平林檎園」の検索から立ち寄られる方がいらして、
これはどうしてなのかと思いましたら、どうやらこの本の堀江敏幸さんのあとがきを
ごらんになって「小平林檎園」に関心をもたれた方の訪問であったのでしょう。
「宇佐見、小平林檎園」というと「明るさの神秘」という本であります。
- 作者: 宇佐見英治
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1997/09
- メディア: 単行本
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みすず書房が引き継いだという珍しいものです。
( 拙ブログではここから何日か http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20091207 )
酒井忠康さんにとっても、この「明るさの神秘」は偏愛の一冊であるのでしょう。
2013年2月刊行の「みすず読書アンケート」に、この本をとりあげていらっしゃい
ました。このアンケートの最後のところに、次のように記されていました。
「この本には『自筆略年譜』と、元版の小平林檎園種とのかかわりを示す『付録
栞』も収録されている。」
酒井さんの「小平林檎園」へのこだわりというのは、酒井さんが北海道余市町と
いう、ウィスキー工場があることで有名な町の出身で、まちの特産品としてりんご
栽培があったこととかかわりがありでしょうか。
当方が小平林檎園版を入手した時は、ほとんど検索してもヒットせず、しても
けっこう高額品でありました。最近は宇佐見さんの読者さんも本を処分する年齢と
なっているのでしょう。ずいぶんと求めやすい値段ででているように思います。
堀江さんの本を読まれた方、酒井忠康さんのファンは、是非とも小平林檎園版の
「明るさの神秘」を手にしてみてください。