本が本をよぶ 4

 「蘭学事始」を話題としますと、一月ということもあって「おらんだ正月」という
ことを思いだしました。
「おらんだ正月」については、以下のところから何日か話題にしておりました。 
( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20090123 )
蘭学事始」によばれる本は「おらんだ正月」であるようです。

新編・おらんだ正月 (岩波文庫)

新編・おらんだ正月 (岩波文庫)

おらんだ正月 (冨山房百科文庫 20)

おらんだ正月 (冨山房百科文庫 20)

 当方が本日手にしているのは、やはり「冨山房百科文庫」であります。これにある
富士川英郎さんの解説がよろしいからであります。そういえば、富士川英郎さんに
関しては、息子さんが本を書いていました。 この本を手にはしていませんが、これは話題になったものです。英郎さんは、その
父である富士川游さんについての本を書いていますので、二代にわたって、息子が
その父親についての本を残していることになります。
 富士川家というのは、もともとは医者の家系のようでありますし、富士川游さんは
医学の歴史が専門でありましたから、「蘭学事始」は富士川家にとって、特別な本で
あったかもしれません。(岩波文庫版「蘭学事始」についている注には、参照として
富士川游さんのものがあがっています。)
 それはさて、「おらんだ正月」冨山房百科文庫の解題となる文章の、ほぼ最後におか
れたくだりの引用です。
「この本を読んで面白く感じるひとはさだめしたくさんあることでしょう。だが、望ま
しいのは、その感銘をただそのままに打ちすてて置かないことです。この本で語られて
いる人たちのうちで、特に興味を感じた人があったら、その人のもっと詳しい伝記を
読んでみるのもいいでしょう。また、蘭学蘭学者について興味をもったなら、杉田
玄白の『蘭学事始』を読むことをお薦めします。これは『岩波文庫』の一冊になって
いますから、手に入れることは容易です。」
 1月4日に読んだ本から芋づる式で、本が本をよぶがままに記してきましたが、4日に
購入した他の本も、本をよんでいるのですね。