セ・パ さよならプロ野球11

 昨日に掲載した川崎球場のスタンド風景は、87年10月8日のものでありました。
ちょうど小説「セ・パさよならプロ野球」の舞台となるシーズンから4年後にあたりま
す。なんといってもロッテというチームは話題となることが少なかったので、この小説
が連載中は、地元出身の高沢選手が登場するのではと楽しみにしていました。
 しかし作中では、高沢さんはほとんどプレーするところがでてこないのでした。
鹿児島キャンプへ出発する前に、川崎球場での合同自主トレの見にいったときの風景で
あります。
「バント処理やフリーバッティングをしている選手のなかに落合がいない。敏男は金網
ごしに、球団職員ふうの男にそれを聞いてみた。
『豆まきに行ったんですよ、節分で。落合、有藤、愛甲、水上、弘田ってとこが』
『なるほど、鬼は外ですか。」
 敏男は納得したが、その連中がいなければ、あとはさっぱり馴染みのない顔ばかりだ。
 ピッチングマシンの球を打ち込んでいた新谷外野手が、ネットの裏にいた山本監督に
呼ばれてバッティングフォームの注意を受けている。その前で打っているのが高沢と
剣持。敏男のすぐ前で、榊コーチのころがすボールをひろって若生コーチへ送球している
のが欠端、小俣、田村、石川。」
 今から約30年前のロッテの練習風景です。この時は、まだ高沢さんは先発に定着して
いなかったのでありますが、これから4年後には落合が抜けたあとの主軸打者となって
チーム最高打率をマークし、翌88年にはパ・リーグ首位打者になったのでした。
 しかしこの作中の主人公が気にして、応援していたのは佐藤文彦という投手でした。