新聞書評欄 2

 当方が自宅で購読しているのは朝日新聞でありますが、本日にコンビニスタンドに
はいっている朝日新聞のところを見ましたら、一部150円となりますとありました。
一部売りの値段が上がるということは、配達付きのほうも値上げとなるのでありま
しょうね。
 5月9日に朝日新聞読書欄で一番話題となったのは、矢内原伊作の新刊を横尾忠則
取り上げたものです。担当記者も、これには満足をしているようであります。「扉」と
いう担当記者が書いたコラムには、「今日、読書面のこのページをなにげなく繰った
読者は、次のページにびっくりされたことでしょう。美術家・横尾忠則の書評はなんと!
横尾さんの書評は、その文体を模写するにとどまらず、シチュエーションごと模写して
しまった。美術家ならではのもの。いつかはビジュアルな書評をお願いしたいと思って
いましたが、ジャコメッティはとてもぴったりな気がします。」
 ジャコメッティの作品が、オークションで極めて高価で落札されたという二ユースが
話題になったことがありました。その時の落札価は、取引史上で最高の高値でありまし
た。現在は、先日のピカソ作品が高値を更新したようですが、どちらにしても20世紀
の作品であります。ということは、ルネサンス期の作品で名前のしられた作者のもので
ありましたら、とんでもない価格がつくということでありますね。
 矢内原伊作の「完本ジャコメッティ手帖 1」は、みすず書房からでたもので、
価格は7875円です。

完本 ジャコメッティ手帖 1

完本 ジャコメッティ手帖 1

 この本は、矢内原伊作の「片仮名と仏語で語る」メモ的な日記を翻訳などしたもの
ですが、横尾さんの書評にあったところでは、次のくだりが残りました。
「ソレニシテモ最後マデ残ル疑問ハ、Yガモデル続ケル必然性と彼の思惑ノ不透明サダ。
画家ハYヲ必要トスルガYハ何ヲ? 画家にウバワレル魂ノ陶酔?ソレトモ評伝執筆。
或ルイハ画家夫人Annetteトノアバンチュールナノカ。」
 矢内原伊作の代表作の一つである「ジャコメッティとともに」は、数回版を重ねて
いますが、いまでは稀覯本となって、日本の古本屋でものきなみ1万円をこえています。
どうして売れるのに、筑摩書房は復刊しないのかというと、これには、画家夫人との
アバンチュールをほのめかすような矢内原の記述があって、それが彫刻家との間で、
問題となったからとありましたが、いまは確認のしようがありません。