潮目の予兆 3

 原武史さんの「潮目の予兆」を話題にしています。
 当方の場合には本の紹介でありますので、興味をもったもの、面白かったものしか
話題にすることはありません。たんなるなぞりで終わることが多いのでありますが、
本を紹介しようとしましたら、すこしは丁寧に本を読むようであります。
 本の書評と紹介はどう違うかといえば、書評は紹介に留まらず、本の内容に対する
論理的な批評や感想が必要なのだそうです。
 紹介をどのようにうまくやって読者の興味をひきつけるか、そうした上で批評、感
想を添えていくということのようです。
 原武史さんは、朝日新聞の書評委員を2014年4月から始めて、現在も継続中であり
ますが、2014年5月の「日記」には、次のように記しています。
「四月六日以来、二週間おきに書評が掲載され、明日もまた掲載される。正直言って
書評委員のなかで一番よく原稿を書いているのに、全然追いつかない。真面目に考え
ているとストレスが溜まるのがこの仕事だというのが、一カ月たってようやくわかっ
てきた。」
 同じく5月の日記であります。
「字数の関係から、最も興味をひかれた部分を中心に、この本の画期的意義を強調す
る。」
 ずいぶんとあちこちで朝日の書評のことが書かれているのですが、印象に残ったの
は、次のくだりです。2015年2月14日のものです。
「自分自身が朝日新聞の書評委員なので、朝日に書評が出ることはない。毎日新聞
場合は、書評委員の本であってもほかの書評委員が取り上げることはあるそうだ。
この手の本(「皇后考」のこと)は、全国紙に書評が出るか出ないかで売れ行きが
違ってくるので、朝日新聞に出ないのは正直言って痛い。」
 というような苦労をして作成している原武史さんの最新の朝日新聞書評は、9月20日
掲載の、次の本に対するものでした。

日本鉄道歌謡史 1――鉄道開業~第二次世界大戦

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日本鉄道歌謡史 2――戦後復興~東日本大震災

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