日曜読書欄

 新聞の読書欄は、年末恒例の「今年の三冊」という特集をやっています。
本日、当方が眼にしましたのは朝日新聞毎日新聞でありますが、読書欄に限って
いうと、毎日新聞の圧勝であります。(毎日新聞で、朝日よりも圧倒的に人気が
ある記事は将棋の名人戦でありますが、名人戦に関しては朝日が、このタイトル戦
を高額な条件で買収しようとして、話題になったことがありました。)
 朝日新聞は、20人の書評委員がおすすめの「今年の三点」をあげるというもので
すが、当方のなじみの深い書評委員があまりいないせいもあって、こちらにはぐっと
くるものがすくないように思います。(朝日新聞のこの欄で一番気になるのは担当
記者の佐久間文子さんでありますが、この方は書評委員ではありませんので、
三点をあげてはいませんです。もちろん、朝日のほうがずっとよろしいでしょうと
いう方のあることも承知してはおりますが。)
 当方が気にしている書評子の多くは、毎日新聞で押さえているように思いますが、
これこそが丸谷才一さんのお力でしょうか。毎日新聞の文学関係で、当方が気にして
いる書評子は、次のような人たちです。
 荒川洋治池内紀池澤夏樹鹿島茂川本三郎辻原登 (12月12日掲載)
 富山太佳夫沼野充義堀江敏幸丸谷才一湯川豊若島正(12月19日掲載)

 これだけのメンバーでありますので、ニアミスのように互いの本を取り上げたり
することがあるようですが、できるだけ日頃は採用しないような内規があったように
思います。この毎日の三冊では、湯川豊さんが、辻原登さんの「闇の奥」をあげて
いるのが眼につきました。
 この中では、若島正さんだけが「本の雑誌」の「私のベスト3」にも参加して
いて、ほぼ同じ内容のものをあげているのでありました。