読書週間 7

 読書週間も終わりとなります。週間であるからといって、特別なことはなくて、
すこしはいつもよりも本をよむことができたでしょうか。この期間に読んでいた
のは、次のようなものです。

 

災いの古書 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

災いの古書 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 元警察官である古書店主が主人公のシリーズ、最初に読んだのが面白かったので
それから継続して購入していますが、入手してから読み始めるまでに15ヶ月も
かかってしまいました。この本の訳者あとがきには、作者が体調を崩していると
ありました。このシリーズの新作はもうでないのでしょうか。

 

ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫)

ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫)

 ちくま文庫の新刊は、近所の本屋にもはいるのですが、なぜかこの本だけは入荷
しなかったようです。きっと部数がすくないので、売れないと思われるところには
配本がなかったのでしょう。「ボン書店」のことは、これの元版がでるまで知らな
かったですが、元版は眼にすることがなくて、これまできていました。著者の
内堀弘さんは、古本屋のご主人でありますが、古本のカタログをつくるというのは、
副産物としてこのようなものが生まれるのですね。出版記録があまり残っていない
版元の存在を後世に伝える貴重な著作です。
 解説は小沢書店の「長谷川郁夫」さんですが、ここには「『書肆ユリイカ』の
『今日の詩人双書』の造本が、ボン書店の『生キタ詩人叢書』の盗用と感ぜられる
ほどそっくりな趣向であるのに私は気づいていたが、ボン書店の出版理念そのものが
書肆ユリイカに引き継がれたことに得心がいった。」
 ちょうど内堀さんがやっておられる石神井書林のカタログ20号 89年師走号と
いうのがでてきて、これをみておりましたら、ボン書店の本が掲載されていました。
  詩学 12号 ボン書店 昭和12年 2万円  鳥羽茂 編  
 「マダムブランシュ」終刊後に刊行された「レスプリヌウボウ』を4号より「詩学
 に改題。記載はないが本号が終刊号である。 ボン書店刊行書目掲載。

 一時期、石神井書林の目録をおくっていただいておりましたが、なんでも捨てることが
できない小生は、いまでもどこかにこの目録を保存しているはずであります。