まずは「下巻」から読むことに

  この週末からは気温が上らずで、連日雨が続きました。

 本日は40度を超えたところもあるというのに、当地は最高気温が23度

でありますので、別世界であります。雨が続いているので庭仕事も出来ずで

ありまして、その分、小説を読むことが出来たりしてです。

 あれこれと読む本があるのに、手にしておりましたのは先日に安価で購入

しました「パチンコ下巻」でした。図書館から上巻を借りて、まずはそれを読ん

でから、こちらを読むかと考えたら、いつに読めるのかわかりませんので、

かまってないやと下巻から先に読んでしまうことにです。

 この小説のカバーなどにすこし要約がありますので、それと登場人物一覧を

参考にして読んでおりました。こういう途中から物語に入るというのは、その

昔の映画館では良くあったよなと懐かしく思いだしました。その昔の映画二番

館などは、二本立てで入れ替えなんていうのもないことで、ずっと映画を見続け

ていることもできましたし、途中から入って途中で抜けるなんてのも普通にでき

ました。途中から見た映画を、その次の上映の時に頭からその場所まで見ると

いうのは、若い人たちはやったことがないでしょうね。

 英語で書かれた日本を舞台にする小説となりますが、登場人物にはコリアン

系の人だけでなく、日本人もでてくるのですが、彼らの名前は翻訳ではコリアン

系の人はカタカナで、日本人は漢字で表記されていて、この表記は翻訳家さん

が原作者と相談して作り出したのでありましょう。

 コリアン系の登場人物が、漢字で表記されているのが一箇所目に付きました。

主要登場人物が、後に結婚することになる女性に自己紹介をするシーンであり

ましたが、その状況にあわせた表記になっているところは細かい気配りでありま

すね。

 「1968年11月 横浜」とあるところには、次のようにありです。

この前には、在日コリアンの国籍をめぐる煩悶がえがかれます。大韓民国北朝

鮮籍かという問題です。

「それでも、モーザスは自分を生まれた国を離れようとは思わなかった。日本を

離れてどこへいくというのだ?日本は自分たちを煙たがっているかもしれないが、

だから何だ?」

 米国で出版された小説ですので、在日コリアンのモーザスが、このように悩む

のを見て、USAの読者は、USAではコリアンはこういう悩みはないだろうと思う

ことでしょう。

 たまたま、このところ読んでいる文庫本にも、似たような話がありです。

「私は日本で生まれて、日本国籍をもつ在日コリアンだ。父が韓国人、母が日本

人なので、『ハーフ在日』というのが正確なのかもしれない。・・

 名前が韓国風(いわゆる民族名というやつ)なので、日本で日常的に暮らして

いて、法律が関与しないかぎり、私は日本人とは扱われない。日本人として扱わ

れていれば、私は私をごく当たり前に日本人だと思ったかもしれない。」

 このように書いているのは、朴沙羅さんでありました。

 そういえば、朴沙羅さんには「家の歴史を書く」という本があったことです。