雨降りなので

 昨晩からの雨は、ずっと降り続いて本日の夜になってもまだ降り続くです。

そんなにひどくは降っていないので、水がついたりすることはないのですが、

この雨のために、庭仕事は中止となりました。

 まあ晴耕雨読ということで、本日は部屋ですこし小説でも読んでやりましょう

かで、先日に図書館から借りてきた深沢潮さんの「わたしのアグアをさがして」

を手にしておりました。

 この作品は、2015年から16年にかけて「小説現代」に連載したものと

いうことですが、そのあと単行本になることもなく過ぎていたものが、角川の

編集者の目にとまって、昨年暮れに刊行となったものです。

(深沢さんのウィキペディアには、この作品がまだ記載となっていません。

お気の毒なことであります。)

 深沢さんというと、在日コリアンのことを描いた小説で有名になったのですが、

この作品の主人公は30代の莉子さんという女性で、普通に結婚して家庭に入って

ほしいという母親の期待に応えるべきかどうかで悩みながらも、結婚を考えていた

相手に失恋をしたのを機に、好きで打ち込んでいたフラメンコを本格的にやって

みようということでスペインに渡る話であります。

 そのスペインでも男にだまされたり、性懲りもなく男性を愛してしまったりで

すが、結局のところは普通に家庭にはいるという生き方ではなく、フラメンコの

舞踏を追求することで、自分の道を探っていこうという話であります。

 作品の舞台はスペインでありますから、スペインに行きましたら大きく括られて

主人公は、東アジアの国から来た人となりで、一番多く言われるのは「中国人か」

であったとありました。

 日本の国内にいたら、東アジアの国からの人の場合は、中国、台湾、韓国、

共和国などなど事細かに分けるのでありますが、それもスペインにいきましたら

であります。

 小説の最後のところに、フラメンコのためにスペインに渡って、そのまま定住

してしまった日本の舞踏家が登場して、このエピソードが非常に印象的でありま

した。この作中の書きっぷりでいくと、だれか具体的なモデルがいるのではと

思って、この作品の参考文献をみましたら、「長嶺ヤス子」さんの著書があがっ

て、そうかこれは長嶺さんかと思ったのですが、今時点で長嶺さんは健在であり

ますので、具体的なモデルではありませんですね。

 それにしても、このスペインを舞台にした作品、主人公を男性にしたらサッカー

というのもありでしょうし、かって話題にした永川玲二さんのことも思いだされ

ることであります。

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