ふだんはあまりオトクな話にはのっからないようにしているのですが、
こと本を買う話になりますと、建前は後退してしまいます。
昨日にブックオフのクーポンを利用して、おトクな気分を味わったもので、
そういえば、このマチにはもう一軒ブックオフがあって、その店で、本日ま
で使うことができるクーポンが届いていたのでありました。
ということで、本日の午後になってから車で20分ちょっと離れたところ
にありますブックオフのお店に行くことにです。
本日も基本はワンコインでありまして、クーポンを利用して予算に収まる
よう「がっちり買いましょう」です。
月に一度くらいは、こちらの店にも足を運んでおりますので、その時に、これ
がもうすこし買いやすくなったら買うのだけどなと思いながら、チェックして
いるものが、本日の狙いめであります。
本日に購入したのは、なんとなしに、行く前に読んでおりました山田稔さん
につながるような本となりました。
一冊は西川祐子さんの「私語り樋口一葉」です。古いリブロポートからでて
いた民間日本学者の一冊。鶴見俊輔さんが編者の一人になっていて、思想
の科学系の書き手が予告されていたので、楽しみにしていましたが、どのくら
いでたものでしょう。予告には小沢信男「徳田秋声」というのもありましたが、
これは刊行とならなかった。
西川祐子さんは、もちろん山田さんの大学、しかも専攻も同じの後輩とな
ります。どこかで山田さんは西川祐子さんについて書いているのですが、
これは見つかるかな、なんとなく「みすず読書アンケート」で西川祐子さんの
「京都の占領」をあげていたように思います。
このところ手にして「もういいか」でありましたら、「ヌーボーの会」で一緒で
ありました西川長夫さんが、祐子さんのお連れ合い。
この本いまは、岩波現代文庫に入っていて、入手が容易になっています。
西川さんによるあとがきを先に読みましたら、次のくだりがありです。
「このたびは、原稿を書きおえた直後にフランスに来て、一年間エックス=アン
=プロバンスの町に滞在しながら校正をする不便な事情となった。長年の
友人であり、樋口一葉の研究者である荒井とみよさんに、文通によって助けら
れて完成をみた。」
荒井とみよさんは多田道太郎さんについての本を書いて、当方は知ること
になりました。
もう一冊も女性によるもの。
増田みず子さんによる20年ぶりの小説集ということで話題になってもの
です。増田みず子さんは若くして小説家デビューし、いろいろな賞を受けてい
るですが、芥川賞は6回ノミネートという記録を残しています。当方が若い頃
には、二学年上の有望な小説家ということで、知られていました。
この作品に収録のものには「季刊文科」に寄稿したものがあって、この渋い
雑誌のことは、山田稔さんの「雑々閑話」のなかで、「「季刊文科』も『風景』に
劣らず私には懐かしい雑誌である」と書いていて、その第三号に山田さんの
「夜の声」という作品を寄稿したのだそうです。
現在にも「季刊文科」はまだ健在であったと知って、ちょっと驚いたようにも
書いているのですが、増田みず子さんの作品が掲載されていた「季刊文科」
は2008年から2017年までのことで、往時の編集者さんが「季刊文科」に
いらしたのでしょうかね。