図書館本に戻る

 函館の本屋さんで購入したものは、もうすこしあるのですが、これはまた

別の機会に紹介することにいたしましょう。(そういう機会がくるようにしな

くてはです。)

 図書館からたくさん本を借りておりまして毎週返却期日となることです。

そういうわけで、借りている図書館本のことも話題にすることにですが、読め

そうでいて、ちょっとページを稼ぐことができていないものから。

 「幻のレコード」という本を借りています。

 この本のはじめには、次のようにあります。

「発禁という言葉には、人を惹きつける黒い魅力がある。時の権力によって

検閲され、禁制品とされたモノを手にすることへの危うい憧れが、そこにはある。

・・・禁止されるとしたくなる、見たくなる、聞きたくなるのが人の世の常だ。

 古書の世界には『発禁本』『地下本』というジャンルが確立されている。

レコードの世界にも同様に『発禁レコード』を集めるコレクターはいる。だが、

図書に比して研究されることはまことに少なく、文献もいたって乏しい。

本書は、わが国における『音の検閲』すなわち『レコード検閲』に焦点を当てる

ものである。」

 これに続いて、世間で「発売禁止」と思われているレコードのことに言及さ

れて、そのいずれもが「後世のイメージで『発禁』にされたレコードである」と

記しています。

 書籍で「発禁」といえば、戦前であれば左翼系のものとか、わいせつ文書など

がありまして、それこそそれについての本もあることです。

 そういえば、その昔には「放送禁止歌」といわれるものがありましたが、これは

禁止ではなくて、放送業界の自己規制でありますね。放送というのは、国の認可

を受けての事業でありますので、お上への忖度とか歌詞にクレームがつきそうな

場合には、それを慮って規制してしまったりするのですね。

 今でもあの曲は放送禁止ではないのかとネットで声をあげる人がいたりします

が、放送禁止はどのような機関が、どのようにして決めるのかです。

 それとくらべると「幻のレコード」で話題になっているのは、まずは戦前でありま

すので、検閲という仕組みがありまして、国が処分で発売させないことになりです。

 これから読むページにありですが、この本ではレコード検閲係のお役人をとり

あげた一章がありまして、このところを読むのが楽しみであります。