駆け足で読むことに

  本日は図書館から借りた小田光雄さんの「近代出版史探索」を手にして

いました。

  昨日まで話題にしていた小田さんの「図書館逍遥」は、上記の本を図書館

から借りてきたことで、積読になっていたものを読んでみたものです。

 それで発禁本関係のところを見ていたのですが、新刊の「近代出版史探索」

は冒頭からカストリ雑誌とか、地下出版の版元とか編集者、作者についての

文章が続いていて、ほとんど未知の出版分野のものでありました。

 これを見ていても、当方は話題にすることもできずであります。小田さんは、

当方とほぼ同年でありますが、こうした出版物にずいぶんと詳しいものと感心

しながら読んでいたのですが、ページをめくっていましたら、次のような記述が

ありました。

「平成19年の『探偵作家追跡』に続いて、若狭邦男の『探偵作家尋訪 八切

止夫・土屋光司』が日本古書通信社から出された。若狭の蒐書をたどっていく

と、尋常な努力では収集できないと思われる雑誌や書籍に出会うことになり、

私などは本当に横着な古本探求者でしかないという気にさせられる。」

 八切止夫という作家さんは名前だけは知っています。70年代に古本屋さん

へといけば、この作者の本がどんとありました。小生は手にすることもなかった

のですが、その八切さんとその出版社である日本シェル出版の刊行物につい

て調査して発表したのが若狭さんなのだそうです。

 その人の仕事は、プロから見ても尋常ではない努力なのですから、ほんと

すごい人がいるものです。