まったく何を考えているかですが、図書館から借りている本は、まるで読むこと
ができていないというのに、半分入れ替えで図書館へといって、またまた厚い本を
借りてしまいました。最近は手にするだけで終わりの本もあることです。
さて、今回新たに借りたのは、次のものでありました。
このような本が出ているのは知りませんでした。昭和20年から昭和31年まで
の著作が先にでていて、これはその続編なのだそうです。この巻で取り上げられて
いるのは、当方が小学生から中学生の頃のことで、日本の高度成長期で、年ごとに
生活が豊かになって、その途上に東京オリンピックがあったことになりです。
その時代をトピックになる事象で記述していくことのなりますが、有名な事象で
ありますので、ほぼ知っている話題でありまして、ここではその背景を教えられる
ことにです。
「この時代の若者たちは、安保闘争をくりひろげて、アメリカ帰れ!などと叫びな
がら、かたわらでロック&ロールに熱中し、ジーパンをはいて、アメリカのテレビ
番組を面白がった。ビートルズに熱狂しながら、ベトナム戦争に反対し、『米帝は
日本から出ていけ!』などと叫びながら、デモ行進した。
これは、つきつめて考えると矛盾した生活態度だったと思うが、わたしたちは
なんとなく、そういうものだと思って暮らしていた。」
この「なんとなく、そういうものだと」いう気分が、この時代の大衆文化を作った
と、著者はいうのでありますが、この時代には、すでに連合軍の占領は終わっている
のでありますが、圧倒的なUSAの政治の影響下にあって、姿をかえた間接支配の時代
となっていました。
それがソ連邦へのあこがれへとつながるのでありましょうね。
昭和31年がスターリン批判にあったわけですが、それによって個人の問題で、体制
の問題にならなかったのも、時代の勢いでありましょうか。
この本の、最初におかれているのは昭和32年ですが、この年の三つの出来事と
して著者が記しているのは、美空ひばり顔に塩酸かけられた事件、新東宝映画の
「明治天皇と日露大戦争」の大ヒット、石原裕次郎の大活躍であります。
小学校低学年であった当方も記憶していることでありまして、神戸芸能社をバックに
スターとなった美空ひばり、すでに盛りをすぎた大スターアラカンの新境地、そして
昭和の大スターの登場であります。
なかなか興味深い時代であることです。600ページの本で、どこまでページを
めくることができるでしょうかね。