なんとか読みました

 本日は朝からパン作りでありまして、しかもお天気がよろしくないものですか

ら、パン作業の間には図書館から借りている「KEIRIN」を読んでおりました。

 英国人の著者が愛する日本の競輪は、このあと生き残ることができるのかと

いうのがテーマの一つでありますね。作家の佐藤正午さんのように地元に競輪

場があって、定期的に足を運ぶというファンでなければ、ほとんどの人は競輪は

見たことがなければ、どこで開催されているかも知らないでしょう。もちろん現役

の競輪選手の名前も知らないことで。

 世界的にいうと自転車競技というのはかなりメジャーなスポーツでありますし、

日本で誕生した競輪は、ちょっとアレンジされてオリンピック種目にもなっている

というのに、現状は残念ではないかというのが、著者の立ち位置のようです。

「多くの日本人は競輪はあたかも存在しないかのように腫れもの扱いをしている。

その証拠を私が見つけたのは、ある日の午後、大阪の中心部にある大洞窟のよう

紀伊国屋書店を訪れたときのことだった。戦術をより深く理解するための資料

を探してスポーツコーナーに向かったものの、競輪に関する書籍は一冊も見つか

らなかった。店員に案内されてべつのコーナーに行くと、ベテラン競輪ライターで

ある野呂修次郎の本を二冊見つけた。一冊は、競輪について知るべきことがすべて

わかると謳う、簡単に読めそうな分量の本。もう一冊は、賭け方についての複雑な

説明が続く分厚い本だった。隣には、競馬や競艇に関する本が並んでいた。当然

のことながら私が案内されたのは、ギャンブル関連本のコーナーだった。」

 大型書店の代名詞のようなところでも、競輪の本はいくらも並んでいないようで

ありますので、当方がこれまで競輪本を手にしたことがないのも不思議ではありま

せん。

 日本の競輪は、世界の競輪の原型ではあるのですが、いろんなところで世界の

競輪は、変化しているのだそうです。それを逆輸入する形での競輪レースも日本

で開催されているとあります。

「通常のラインのルールが適用されないケイリン・エボリューションの開催をとおし

て、JKAはより近代的なトラック競技の要素も取りいれようとしている。

カーボンファイバー製のフレームと五本スポークの前輪の自転車で行われるこの

競技に選手と観客は少なくとも、日本以外の場所で実施されているケイリンの姿

を垣間見ることができる。・・これまで根強く残っていた競輪選手のイメージは、年

齢限界がくるまでこつこつと商売に励むことができる熟練した職人というもの

だった。 

 しかし、オリンピックでの活躍という魅力に刺激を受けた新世代の選手たちが、

国内レースの枠の外に目を向けるようになった。」

 日本の競輪の売上のピークは1991年であとすこしで2兆円というところまでいった

のですが、それからは右肩下がりで、今では競艇にも売上では抜かれているのだそう

ですが、競輪に未来はあるのかですね。

 参考になるのは、ある意味国際化した大相撲のようです。(あちらはギャンブルでは

ないのですが。)