女性の本を借りる

 休みに合わせて図書館本の入れ替えです。これまで借りていた本は、ほとんど

読むことのできていないものもあるのですが、これはいつまで借りていても読め

そうもないので、一旦戻すことにして、新たに借りることにです。

 新たに借りた本は二冊で、どちらも女性の手によるものです。

一冊目は、ここのところ誰からも借りられずに残っていたもの。この本を借りる

人がいないのかいという気分であります。もっとも、この作者のファンであれば、

これは借りてではなく、買って読むのでありましょう。

どういうわけか、こちらの図書館ではこの本が箱入りのまま貸し出しに回って

いました。普通であればあっさり箱は処分されますのに、それも異例であります。

 ちなみに装丁はミルキイ・イソベさんでありますが、箱を見ましたら、その昔

の山本美智代さんによる「銀鍍金」時代の装丁を思い起こしました。(確か山本

さんによる装丁は足穂のものだったはず)

 その本は山尾悠子さんの「山の人魚と虚ろの王」(国書刊行会)でありました。

 山尾悠子さんの不思議な世界を楽しむですが、うまく入り込むことができるか

な。

 もう一冊は小林エリカさんの「最後の挨拶」でありました。

小林エリカさんは、数年前の「ちくま」の表紙とその裏にエッセイを担当してい

て、今は「ちくま」の担当は外れているのですが、連載はWEBちくまで継続し、

「彼女たちの戦争」というタイトルとなっています。

 当方は、この「ちくま」で、小林さんを知ることになったのですが、今回の本

の書評を見て、小林さんが小林司さんの娘さんであることを知りました。

 当方は、小林司さんの本を読んだことはないのですが、ホームズ研究家として

著名な小林司さんについて、娘さんが書かれるというのは、興味があることです。

(同じようなものに、中島京子さんが父上 中島昭和さんをモデルにした小説も

あって、これも興味がありです。)

 「最後の挨拶」とは、もちろんホームズでありまして、こちらの本を手にして

ページをめくりますと、最初に目に入るのは、「ホームズ 最後の挨拶」からの

引用でありました。

 まずは、こちらの方が読みやすそうなので、これを読んでみましょう。