雨の朝は窓越しに

 当方の住む家は、築43年になりましたので、そこそこ古い家となりです。

家を建てるときに明るい台所をということで、南にむいた台所で、しかも西に

小さな窓をつけましたので、光がいっぱい入ってきて、ちょっと暑く感じるこ

ともあるのですが、暗いよりはよろしいでしょう。

 朝の食事は、当方の担当ということもありまして、スムージーをつくり、パン

を用意して、コーヒーをゆっくりと落とすことになります。なかなか贅沢なりと

自賛しているのですが、その作業を行いながら、窓の外をみますと、庭の花が

目に入ります。この時期はこの窓から見えるだけでも、そこそこの花が目に

入ってきて台所に立っているのが楽しくなることです。

 これからしばらくは、わが家のバラまつりということで、お近くの方はどうぞ

花を見に来てくださいといっております。

 図書館から借りている本が、本日が期限ということもあって、入れ替えをする

ことになりです。読めているのは西村賢太さんのものだけという、惨憺たる結果

でありますが、それでも読むことができているだけいいかです。

 西村さんのものを戻して、別な西村さんのものを借りてきたのですが、そろそ

ろ小説で借りるものはなくなってきたでしょうか。

 本日借りたのは西村さんの雑文集でありまして、「アサヒ芸能」に発表した文

章をまとめた徳間書店「下手(したて)に居丈高」と文藝春秋社から刊行となっ

た「随筆集 一日」でありました。

 「随筆集 一日」は、巻末に東京スポーツ紙に掲載したエッセイを「色慾譚」

というタイトルでまとめてあります。掲載紙の雰囲気を壊さないような配慮を

加えた西村さんの文章でありますが、これが精興社印刷という格調高い字面で

読むことができます。

 西村さんは本造りには非常に厳しい方とのことでありましたので、出来上がり

は、素晴らしいもので、この落差というのが西村さんの魅力でありましょう。