「うえの」で学んだこと

 昨日に引き続きで小沢信男さんに関わる話題となります。亡くなって一年で

ありまして、このあたりでちゃんと小沢さんの本を読んだりしなくてはいけな

いと思うことから、なにかにつけて、書かれたものをひっぱり出して手にする

ようにしています。 

 昨日には上野「黒船亭」から、タウン誌「うえの」を話題にしていたのですが、

小沢さんがのれん会関係の葬儀での弔辞などを作成していたということを記憶で

書いたのですが、これはどこにあったものであったかと、本日は資料をさがして

見ることにです。

 このような話題は、楽屋話のようなものですから、既刊エッセイ集などには

収録されませんですよね。そうなると、あれしかないなと「小沢信男一代記」を

あたってみることにです。

 そうしましたら、「小沢信男一代記」その10に「タウン誌『うえの』で学ん

だこと」というのが見つかりました。2006年4月とある「サンパン」という

リトルマガジンに掲載されたものです。

 当方などは、このような聞き書きものが大好きですから、大いに参考になった

のですが、小沢さんの、これは本にはしないということで捨てられることになり

ました。

 あまり話題にしてもしてくれるなということのようでありまして、興味をお持

ちの方がいらっしゃるとしましたら、この「サンパン」というEDIからでた雑誌

をお探しくださいです。

 EDIと記したので、昨日に続いて「小沢信男さん、あなたはどうやって食って

きましたか」からの引用です。(こちらは小沢さん、津野海太郎さん、黒川創

さんの鼎談で、2010年11月3日に開催されて、本になったのは2011年

4月でした。)

「何年か前に、EDIの松本八郎さんが『小沢さんの書誌のようなものをつくる』

というから、やめてくださいって言ったの。わずかな仕事しかしていないから

簡単にできると思われているけれど、じつは、こまごまこまごま働いてきたん

だから、いまさらほじくり返されたくないんだなァ」

 行きているうちには、結局誰も手をだすことができなかったのでありますが、

どこかでやってくれないのかな。その昔の講談社文芸文庫でありましたら、

小沢さんのものを一冊くらいはいれてくれたと思うのですが、それもなしでし

たから、今のところちくま文庫でがまんをするしかないのか。