気温差二十度かな

 本日の当地の最高気温は1.5度とのことです。昨日よりも5度以上低くなり

ました。午後に関西に住む子どもと顔を見ながら話をしておりましたら、こ

ちらは暑くてといっていました。二十度はあるよといって、最近お気に入り

のNiziUの歌を歌いながら、なわとびダンスを見せてくれました。一昨年は

パプリカでしたが、昨年末からはNiziUが子どもたちにははやりであるよう

です。

 いつもでしたら、3月から4月にかけては関西へと遊びにいくのであります

が、10年近くも続いていた習慣は、昨年から途絶えてしまっています。行く

ことが出来ない間に、いろいろと変わったこともあるでしょうに。(ほとん

ど本屋などに関することにしか、興味はないのでありますが。)

 昨日にブックオフでは中村真一郎さんの小説を購入したのでありますが、

これは亡くなるまで手掛けていた作品で、結局は未完となったのですが、

そのままで刊行されることになりました。

老木に花の

老木に花の

 

  中村真一郎さんの小説はいくつも読んでいないのでありますが、頼山陽

蒹葭堂、蠣崎波響の三部作は読まなくてはいけないと思って、蒹葭堂のみは

図書館より借りて読むことができ、他の二冊はすでに確保して、いつでも読め

るぞと思っています。

 中村さんといえば、性愛文学でありまして、岩波新書にはいっている回想に

あったのでしょうか、ずいぶんと女性との交友関係もお盛んであったように

記憶しています。実践でそうなのですから、作品にもそうした世界は反映して

いて、中世を舞台にしてエロティックな小説作品に取り組んでいました。

 この「老木に花の」は、ほとんど79歳くらいのときに書いていたものですか

ら、70歳になるかならないかで枯れていてはいかんのですよ。

 まだまるで読めていないのですが、その「小序」という導入部で作者は次の

ように書いています。

「実はここだけの話なのだが、この十世紀に近い昔の、物語作者の綴った絵空

事が、八十翁の衰老の私には私自身の願望のある秘密に触れ、私自身の私小説

とも感じられる部分をも含んでいたので、時々、現代訳の途中でひそかに微笑ん

だり肝を冷やしたりしながら、大いに筆がすすんだものである。」

 この作品は、もともとは王朝物語として残されている「老木の花の」という

長編小説を欠落を想像で補って、現代語訳したという仕掛けになっているので

すが、「暫く八十翁と七十媼との、世に珍しい愛欲の日々の叙述が展開したと

想像される」とありまして、思わずほんまかいなです。

 年齢を重ねることによって性愛文学に関心が向くようになるのでありましょう

か。昨日は中村さんのこの本とあわせて、これまた重鎮が70代後半に発表した

著作を買うことになりました。

谷沢永一性愛文学 (ロング新書)

谷沢永一性愛文学 (ロング新書)

  • 作者:谷沢 永一
  • 発売日: 2007/10/01
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
 

  谷沢さんはあとがきで「何時かは書いてみたいと念じていたテーマ」と記し

ています。まだ若いときに学術論文で「文学研究の前提となる生知識の問題」

というのを「国文学」(昭和38年8月号学燈社)に発表しているのですから、

谷沢さんも年季の入り方が違うことです。