新刊本はどんどんと値段があがり、ブックオフなどにならぶ均一本は
どんどんと割安となることです。
新刊は1ページあたり10円くらいするのは、いまで普通のことになっていま
すが、その昔にみすずなどの本で200ページで2000円くらいの値段のもの
が出たときには、ページあたり10円かと話題になったものです。
いま図書館から借りているみすずの新刊「治したくない」は240ページで
2200円ですから、みすずの本としては安いなと感じることです。
最近ブックオフで入手した本でびっくりしたのは、1999年に刊行となった
東海林さだお自選「なんたって『ショージ君』」の愛蔵版であります。
本文はほぼ800ページで、厚さ4センチの本がまさかの値段でありまして、
ページあたり12.5銭であります。
これはお気の毒なことで、申し訳ないので買わせていただきです。
本日にこの本を手にして目次をぱらぱらと見ていましたら、東海林さんの
文庫本巻末によせたエッセイが収録されていて、そこにはナンシー関さん
とか金井美恵子さんのものがありました。
金井さんらしい「東京ブチブチ日記」に寄せた文章の結語を紹介です。
「東海林さだおのエッセイの高度な批評性は、批評家意識が半ば以上無意識
にも鈍感に居なおる『高み』を、決して採用しないところにある。それが、
もともと漫画という物の精神ではないか、という人がいたら、では、
東海林さだお以外に、誰かそうした精神を持った漫画家がいるのか、と私は
問いたい。」
この解説文は、金井さんのどれかに収録されているのでしょうが、この
小気味良い文章を贈られるだけでも、東海林さんの偉さがわかることであり
ます。