NHKBSで放送されている火野正平「こころ旅」は、今年も春にスタートを
切ったのですが、コロナのために新しい旅を継続することができず、2014年
の旅の再放送でつないでいます。今月最終週からは新しい旅が再開されると
いうので楽しみにしていますが、2014年というと当方はフルタイムで仕事を
していたせいで、ほとんど番組を見ておりませんでした。そのせいもあって、
毎回はじめて見る気分で、楽しんでいます。
日本海側を北上していて、先々週は富山の旅を放送していました。当方の
曽祖父までは富山の宇奈月温泉の手前で生活をしていたこともあって、富山
の回は楽しみにしていました。なんとなく海の近くから遠くに立山連峰を
眺めることができるというのが、当方の富山のイメージです。
2017年に富山を訪ねたのですが、そのときには雨模様でありまして、残念
なことに立山を目にすることができず、これはまた墓参りをかねて、富山に
こなくてはと思ったものです。次の写真は、祖先の地を訪ねたときに、立山
方向を撮影したものです。山はまるで見えず。
「こころ旅」2014では、ちゃんと立山連峰を見ることができていて、これ
はふだんの行いの違いかと思ったものです。
このときに火野さんは、入善町を訪問することになりです。入善町といえば、
「長い道」でありますね。
今月の初めに柏原兵三さんのことを思っておりましたら、先日に届いた
「本の雑誌」7月号の特集「献辞の研究!」のところで柏原さんの名前を
発見です。書いているのは、川口則弘さん「直木賞芥川賞作家は親孝行?」
というタイトルです。
「第58回芥川賞の柏原兵三も高校生のときに父と死に別れた一人です。
彼が受賞本を捧げたのも、やはり親でした。
「 母にささぐ 」(1968年新潮社刊「徳山道助の帰郷」)
ところが柏原は受賞後わずか四年で急逝してしまいます。のちに書かれた
『短かった彼の一生を思う時母としてただ涙するばかりでございます。」
(1973年・三修社刊『柏原兵三の人と文学』所収、柏原美代子『おいた
ち』)という母の文章と合わせて読むと、この献辞のたどった数奇な運命が
せつないです。」
さすが川口さんであります。このようにつながるかと感心しました。
当方は「徳山道助の帰郷」は柏原さんの作品集で読んだのですが、これに
では献辞は省略されていました。合わせて「柏原兵三の人と文学」も取り
だしてきて母上の文章を読んでみることにですが、「徳山道助」のモデルは
母方の祖父にあたる人ですので、未亡人となった母におくられて当然であり
ましょう。