パートじいさんにも金曜日の夜はうれしいことであります。週末に
仕事という人は多いでしょうし、同年輩では毎日がおやすみなんて方も
いらっしゃるでしょうから、金曜日の夜がうれしいなんていっちゃいけ
ないのかな。小学校とかの頃には、金曜日の夜は明日半日授業だという
ことでわくわくしたことを思いだすことです。
というふうにすこし気持ちが上向きになりますと、ちょっと暗い歌を
聞いても落ち込むことはないことです。本日に聞いていたのは、アイナ
さんがソロで歌っている「死にたい夜にかぎって」であります。テレビ
ドラマのエンディングテーマだそうです。
アイナ・ジ・エンド / 死にたい夜にかぎって [Official Video]
こういう曲を聞いたあとには東海林さだおさんの本を読むことにですが、
アイナさんのファンは東海林さだおなんて読むことはないでしょうね。
東海林さんの本から、金井美恵子さんおすすめの一本を読むことにし、その
あとに図書館から借りている本を手にすることにです。
本当に偶然とはおそろしいことでありまして、多和田さんと東海林さんの
お二人はともに立川高校から早稲田露文というコースを歩んでいるのでありま
すね。あれっふたりとも早稲田露文かと思って、検索したら出身高校まで一致
していました。
こういう偶然はたのしいことであります。作風はまるで違うのでしょうが、
そもそも多和田さんの露文というのも意外な感じです。
当方は多和田さんの本は安価で見つかると購入しているのですが、さっぱり
読めていません。そんななかで、図書館から借りた「地球にちりばめられて」は
面白く読むことができたので、その先にある「星に仄めかされて」も借りること
になりです。
国内で創作活動をしている優れた女性たちも多いのですが、このところ話題
となるひとは、ブレディ・みかこさんとか、伊藤比呂美さんなど、外国にも軸
足をおいている人がいて、もちろん多和田さんもそんなお一人。
読んでいたところにあったくだりを紹介です。
「大きな自然災害があって、県庁や市役所の書類が大量に燃えたり流されたり
して、戸籍の代わりに生存者ナンバーのようなものができたらしい。『生存者
ナンバー』ではあまり悲惨なのでこのナンバーは、『家はなくなっても気にす
るな、大丈夫だ、元気を出せ』というメッセージを込めて『ドンマイ・ナン
バー』という名前になった。番号がもらえると手当てももらえる。
その話を聞いた夜、イェシカは自分もドンマイ・ナンバーをもらってホッと
する夢を見た。」
当方などは「マイナンバー」と聞きますと、ほっといてくれという気分にな
るのですが、これを「ドンマイ・ナンバー」と読み替えるのでありますか。
それにしても、ドンマイカードでネット申請すれば手当がもらえるというの
は、この国のいまの形ですが、多和田さんの作品のなかでは、この国はすでに
消滅しているのでした。
国の消滅は、すでに前作で話題となっておりました。