SUREつながり

 婦人之友社から隔月で刊行の「明日の友」を、家人が定期購読して

いて、先日に2018年冬号が届きました。

明日の友 237号 冬 2019年 01月号 [雑誌]

明日の友 237号 冬 2019年 01月号 [雑誌]

 

  今は「友の会」を離れてはいるものの、その周辺をぐるぐるとまわって

いまして、当方が定年になってからは「明日の友」を購読するようになって

います。

 この雑誌には「今から見る夢」という人を取り上げた連載がありまして、

前号は「中尾ハジメ」さんで、今号は「高橋幸子」さんでありました。

中尾ハジメさんは、京都の「ほんやら洞」をつくったメンバーのお一人で、

その後は大学教員でありましたので、それなりに知っている人は知っている

方でありますが、それに続いてが高橋幸子さんで、こちらは「みみずの学校

の校腸」を名乗っていましたが、たぶん知っているひとは、うんとすくない

はず。(みみず校腸としては「たくさんのふしぎ」巻末のふしぎ新聞に寄稿し

ていました。この仕事が一番メジャーであったかも)

 どちらも取り上げられて紹介されている、最近の本はSUREのものであり

まして、中尾さんは翻訳した「内陸のクジラ」で、高橋さんは「手作り雑誌の

創造術」でありました。

 今号の表紙をめくると目次のまえに、紐で綴られた雑誌が積み重なってい

る写真があって、それに次の言葉が添えられていました。

「個人の雑誌をだす。

想いをつづるだけでなく、

多様な筆者に原稿を依頼し、

編集、製本して

多様な読書の元に送り届ける。

自分という場を介して、

人と人をつなぐこと。

思うままにならない楽しみを、

積み重ねてきた。」

 これは高橋さんの個人誌「はなかみ通信」に寄せた、編集部のオマージュ

なのでしょうか。

 この号で紹介されている高橋さんの紹介文章の一節です。

「高校で新聞部に所属し、大学では新聞学を専攻した。ゼミの教授が哲学者

鶴見俊輔さん。『わたしたちは虚像に包まれて生きている。自分がどんな

虚像にだまされてきたか、だまされやすいか。同時代をとらえ直して自らの

虚像を作りかえてゆく』との講義を胸に刻んだ。」

 高橋さんは、鶴見さん、SUREなのでありますよ。

 先日に購入した黒川創さんの「鶴見俊輔伝」を後ろからひらくと、すぐに

高橋さんが登場することになります。

「何度も、そういう『式次第』を聞かされた。あるときなど、高橋幸子と私が

鶴見宅に招集されて、何かの会議なのだろうとは思ったが、鶴見のノートに

メモされている議題の筆頭に『私の葬式について』と記されていたこともあ

る。」

 結果として密葬となった斎場に黒川さんが鎌倉から駆けつけたら、そこに

いたのは「故人の伴侶である横山貞子と息子鶴見太郎高橋幸子(1944年

生まれ。同志社大での鶴見ゼミ学生)、若い女性の言語聴覚士Aさんが残っ

ていた。」とのことですから、高橋さんは、たいへん鶴見ご夫婦から信頼されて

いたということがわかりました。 

鶴見俊輔伝

鶴見俊輔伝