まなざし

 図書館から借りてきた鶴見俊輔さんの「まなざし」の冒頭でとりあげられているの
は、石牟礼道子さんで、その次には金時鐘さん。ボリュームとしては金時鐘さんが
一番多く割かれています。

まなざし

まなざし

 石牟礼道子さんをとりあげた雑誌を最近眼にしました。この雑誌は主に女性むけの
直販雑誌「いきいき」です。巻頭に最近の石牟礼道子さんの写真がありまして、そこ
には高齢者施設で生活していると記されていました。部数はたくさんでていると思わ
れますが、なかなか目にする機会は多くありませんので、「いきいき」ホームページ
をご覧ください。
 ちなみに石牟礼さんが掲載となったのは、2015年12月号となります。目次のところ
をみましたら、
「『魂の深か人』を、命尽きるまで描き続けたい。石牟礼道子さん」とありました。
 一般雑誌にも石牟礼さんを取り上げるものもあるとは思いますが、こういう女性
雑誌が取り上げるのはいいですね。こういう雑誌の読者に期待をするところが大と
なります。
 そこで鶴見俊輔さんの石牟礼さんへのまなざしです。
「私のきらいな日本の知識人の特徴は明治以降に限られることがわかった。明治以降
には知識人は今のようなショート・メモリーによって生きてはいない。・・
 四十五年前に日本のジャーナリズムの外にいた石牟礼道子は、今ではその中の見逃
すことのできないひとりの書き手である。だが、彼女は今も日本のジャーナリズムの
外にいる。日本の知識人というときにも、この人はその外にはみ出している。それは
日本の知識人全体を今日もつつみこんでいる短い記憶の外にいるからだ。」
 小沢信男さんは、自分の生まれた年を軸に生きた年数だけ過去に遡ってみてはと
語っていました。当方の場合は、明治30年頃となります。ちょうど当方の何代か前の
先祖が冨山から北海道にわたったころです。当方の短い記憶には、富山の暮らしは
すりこまれておりません。