すこし寝不足

 昨晩は、日付がかわるすこし前にふとんにはいりまして、ふとんのなかで「寂しい
丘で狩りをする」を読むことになりました。あと100ページくらいでありましたので、
これは一気に読むしかないかと、話の筋のみを追って、先を急ぎました。なんとか
最後のページまでたどりついたのですが、これはもうすこしゆっくりと読まなくては
いけないことです。あちこちにそっとおかれている伏線ともなる逸話を楽しまなく
てはです。
 昨日に読んでいたところでは、次のところなど。
『『石切さん』で有名な石切劔箭神社は昔から腫れものの神さまとして知られ、いま
は癌治療の神さまに変じて参詣客を集めていた。山裾から中腹にかけて伸びる狭い
急坂の参道の両側には陰陽師占い、星占い、タロット占い、四柱推命、水晶占い、
高島易断などの占いの店が四、五十件並んでいる。」
 ここにも「石切さん」が登場したかであります。東大阪市にあります「石切さん
へは何度か足を運んだことがありまして、近鉄石切駅で下車して「石切さん」に向か
うときには、こうしたちょっと不思議なお店が並ぶ参道を通っていくことになりです。
 この石切さんの近傍には、辻原さんの前作である「冬の旅」で主人公が勤務する新
興宗教の本部が置かれていましたです。さすが、関西愛の辻原さんであります。
 読み終わりましたら、ほとんど午前二時となっていました。これはいかん、早くや
すまなくてはでありますが、けっこう怖いシーンなどもあったことから、必ずしも
快適な眠りとはならず、本日は完全に睡眠不足となりです。
眠る前に、怖い小説は避けたほうがよろしいことで。

寂しい丘で狩りをする (講談社文庫)

寂しい丘で狩りをする (講談社文庫)