ワンコインの楽しみ

 昨日にブックオフへと足を運びました。最近はとにかく本を増やさないがモットー
でありますので、簡単には買うことをしませんよ。予算は、いつもとおりワンコイン
となります。
 先日に「柿のたね」女性のことを思い浮かべていたのですが、そのときに一緒に
なって浮かんできたのは梁 石日さん作品「終わりなき始まり」に登場するヒロイン
でありました。朝日新聞社論座」に連載されていたときに読んだように思います。
 その後、単行本となってから読み返すこともないのですが、このヒロインは李良枝
さんがモデルになっているとあったように記憶しています。どのくらいモデルが投影
されているのかはわかりませんが、作者が描く、ヒロインはとても魅力的でありまし
た。
 そんなふうに思いながらブックオフの棚を見ていましたら、李良枝さんの「刻」を
みつけました。これの単行本はありがたく購入です。最近の若い朝鮮系の作家さんの
ものと比べてみなくてはです。それにしても、李良枝さんは、若くして亡くなったこ
とであります。

刻 (講談社文芸文庫)

刻 (講談社文芸文庫)

終りなき始まり 上

終りなき始まり 上

 次の一冊は清岡卓行さんの「薔薇ぐるい」でした。
薔薇ぐるい (1982年)

薔薇ぐるい (1982年)

清岡さんの小説は何作しか読んでおりませんでして、このような作品があることは知り
ませんでした。新潮社からでた元版でありまして、帯がついていました。この帯には、
次のようにありです。
「妻に先立たれて病いの不安と闘う中年の大学教授は、詩を愛好する女子学生の眩い姿
体を夢にまでみる。東西の薔薇の詩を鏤めた抒情溢れる長編小説。」
 これは私小説ではないでしょうが、枠組みについては、清岡さんの実生活が借りられ
ているようです。最初の奥様と死別して、数年後に24歳下(ちょうど干支で二回り下)
の女性と再婚されるのですが、出会ったころは、大学教授と詩を愛好する女子学生で
あったので、ほとんどそんな興味から手にして読もうということになりました。
これは新聞に連載された小説だそうで、読みやすそうですね。
 三冊目は、だぶりに近いものですが、元版に増補して、しかもサイズがかわっていま
すので、将来元版を整理することとなったら、こちらを保存することになりです。 三冊のなかでは、これが一番高いものでありまして、三冊でワンコインでちょっと
足がでました。これらを読んでいましたら、ノルマで読まなくてはいけないものが
後回しとなってしまうことです。