戦争をよむ

 津島佑子さんの「半減期を祝って」を購入したのは、先日に一緒に確保した岩波新
書「戦争をよむ」中川成美著に取り上げられていたからです。

 関西滞在中に関西にゆかりの本を購入しようと思って棚を見ていたのですが、宿か
ら近くのジュンク堂には、編集工房ノアの本はおかれていないものですから、それで
はと思って購入したのが中川成美さんの「戦争をよむ」でした。(買おうかどうしよ
うかと思って迷ったのは、 村元 武 著「プレイガイドジャーナルよ1971〜1985」
でありました。これは次の機会かな)
 中川成美さんという方のことは、この本の著者紹介で初めて知りました。先日もすこ
しふれましたが、この本の元になったのは、京都新聞に連載されたコラムとのことで、
それに加筆・整理をして70冊の小説などが紹介されています。
 前書きで中川さんは「本書は『小説案内』と銘打たれているが、小説ばかりでなく、
詩やエッセーや評論、ルポルタージュや日記、自伝なども含まれている。」と書いて
いますが、内容も直接には戦争とつながるのかと思うようなものもありです。
 これはどうして戦争につながるのかということについては、「何気ない日常の一瞬に
立ち現れる暗渠のような感覚には、もしかすると戦争の影が射しかけられているように
思えてならない。」と書かれています。
 ちなみに津島さんの「半減期を祝って」が紹介されているのは、「終章 いまここに
ある戦争」というところで、ここにおかれている11作品のうち日本人のものは、次の五
作品となります。
水滴

水滴

二十歳の原点 (新潮文庫)

二十歳の原点 (新潮文庫)

 これに収録の作品「姫と戦争と『庭の雀』」 
虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

半減期を祝って

半減期を祝って

 中川さんは、立命館大学文学部で教えておられるとのことで、立命館出身の高野さん、
笙野さんがあがっているのは、ひいきかなとも思ってしまうが、笙野さんのものは、多
分かなり過激でありましょうから、「いまここにある戦争」というくくりであれば、
ありでしょうね。
 中川成美さんという名前から、女性であればいいのになと検索をかけましたら、残念
なこと男性でありました。