へこたれない人たち

 その昔に「へこたれない理想主義者」という本があったなと思って、いまほど検索
をかけてみましたら、この本は、いまでは文庫になっているとのことです。

大原総一郎―へこたれない理想主義者 (中公文庫)

大原総一郎―へこたれない理想主義者 (中公文庫)

 この本の元版を購入したようにも思いますが、いまだ読んでいなくて、どこかに
埋もれているようであります。取り上げられているのは、大原総一郎さんでありまし
て、クラレ大原の御曹司ですが、大原孫三郎さんが作り出したもので、一番の傑作は
総一郎さんであったというのを目にしたことがあります。
 このタイトルからは理想主義者は、打たれ弱いというような雰囲気が伝わってくる
のですが、それを単純に裏返しますと現実主義者は打たれ強いということになりそう
ですが、そんなことはなくってです。
 打たれ強く、へこたれない人は、どうやらとんでもない世界にお住まいの人たちに
多いようであります。へこたれるというのは、外からの意見が自分の内部に入ってく
るからでありまして、外からの意見に対してそれは嘘であるとか、印象操作であると
いって、自分の正当性を主張する人たちは、なんといっても強いことであります。
 当方が生きてきたこれまでにあっては、このようなとんでもない人たちは、すくな
くとも主流とおぼしき位置にはつくことがなかったと思うのですが、このところは、
そういう人たちが、高い地位について、社会に大きな影響力を行使しています。
 とんでもない歴史観、世界観をもっている人から執拗にせまられ、加えて政治的な
勢力をも利用して周りを固められますと、これはもうどうでもいいやということにな
りそうですね。これが露見したら大問題になるだろうが、それの責任はしかるべき人
が取るのだろうなと、次々に下のものたちは、書類にはんこをおして、トップはその
ような説明は受けていなくて、下を信頼して最終のはんこをおさせたといえば、これ
はいったいどうなっているのかであります。
 大阪も東京も、利口な人たちがわけのわからないことをやって、そこをまたとんで
もない人につっこまれて、かくして世の中はどんどんとやっかいになっていく。
なんともはや不思議なことです。