きびしい現実 2

 新刊本屋さんがつぎつぎと店を閉めるようなことになっているときしましたが、大変
なのは古書店もおなじであるようです。
 昨日に「善行堂主人」のブログ「古本ソムリエの日記」を見ていましたら、京都の
善書堂さんが閉店したとありました。
( http://d.hatena.ne.jp/zenkoh/20141014 )
 今から40年ほど前、京都で暮らしていたころに通った古本屋さんで一番足を運んだの
は「善書堂」さんであったように思います。もちろん、今の新しい店ではなく、古い
ほうの店です。叡電出町柳でおりて河原町方面にむかっていくとありました。
いつも通う道筋にある古書店でした。京都に古本屋は多けれど、当方にとっては赤尾とか
善書堂、吉岡はAランクの店という感じでした。
 ここで購入したものはたくさんあるはずですが、すっかり忘れていまして、すぐには
思いだすことができません。しかし最後に購入した本というのははっきりおぼえていま
す。(その本を探したのですが、すぐには見つからなかった。)
 京都にいってもなかなか一人で古本屋をぶらつくとはなりませんが、なにかの折りに、
出町ふたばへといって豆大福を買って食べましょうとなり、いってみたのですが、あの
店はいつも行列ができていて、購入するまで、しばらく待つこととなります。
 ふたばの列にならんでいたとき、前をみましたら道路をはさんだところ善書堂があり
ました。列にならぶのは連れにまかせ、当方は善書堂にむかいました。昔の店とは雰囲気
がかわっていましたが、この店が健在なのを確認してうれしく思いました。
 拙ブログで善書堂さんのことに言及しているのは、これまで一度だけで、それは以下の
ページの、最後のくだりのことでした。
( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20090523 )
はからずも、この時の心配が現実のものとなったようです。
 善書堂での、当方にとっての最後の一冊は次のものです。

古美術拾遺亦楽 (1974年)

古美術拾遺亦楽 (1974年)

 この本が刊行となった1974年というのは、学校を卒業して京都を離れた年であります。
その時は、とっても手が出ない値段でありましたが、それから30数年、なつかしの善書
堂での入手でした。