きびしい現実

 まちの本屋さんがどんどんと姿を消していくのですが、古本屋さんになろうという
若い方はいるように聞くものの、新刊本屋さんを新規で開店という方の話は聞こえて
きません。新刊本屋というのは、ほとんど商売にならなくなっているようです。
 もう三週間ほども前に、まちの小さな本屋に岩波文庫の注文をしたのでありますが、
いまだに入荷したと連絡がありません。この小さな本屋は、ほとんど店頭に在庫を
もたず、お得意さんへの配達と教科書関連の販売で店を維持しているのですが、注文
を受けて、取り次ぎが本が用意できたとしても、ある程度注文の本がまとまらなくて
は、送料でもうけがとんでしまうことになります。小さな店の注文書はそんなに多い
わけもなく、発送用のダンボールに本が半分くらいはたまらなくては出荷できない
ことになります。
 当方が注文した文庫本は、数ヶ月前にでた新刊で珍しいものではないので、品切れ
とは思いがたく、取り次ぎのダンボール箱のなかで、出荷されるのをじっと待ってい
るのでありましょうか。
 先日に全国チェーンの書店で店員さんに確認したら、この店には配本がありません
という返事があったり、別のチェーン書店で別な新刊の確認をしましたら、在庫が
あることになっているのに、目的の本が見つからなかったりと、当方と新刊本屋との
お付き合いは、相当にストレスのかかるものとなっています。
 地方に住んでいる当方は、どうしてもネットでものを買わなくてはいけなくなって
いるのですが、それでも新刊本だけはアマゾンで買わないぞと思っています。
いまよりも、もうすこし動くことができなくなったら、考えはかわるかもしれません
が、そのときはアマゾンはどうなっているかです。
 当方がかろうじて購入できた新刊本といえば、このようなものです。

恋情からくり長屋 (新潮文庫)

恋情からくり長屋 (新潮文庫)

 その昔のことを考えれば、よくもこれでがまんしているなですが、読むこともでき
ていないのですから、これでよろしでしょうか。