本日届いたもの

 本日、仕事から帰宅しましたら、新潮社「波」、朝日新聞出版「一冊の本」、岩波
「図書」、それぞれの十月号が届いていました。これに数日前に届いた「ちくま」を
あわせますと、残すは「みすず」だけとなります。
 映画監督の青山真治さんが「波」と「ちくま」に文章を寄せています。ほとんどこの
方の映画作品は見たことがありませんし、小説も読んでおりませんが、こうして編集者
から文章を求められるということは、編集者の評価は高いのでありますね。
 ちなみに青山さんが話題としているのは、「ちくま」では「蓮實先生のボヴァリー
夫人論」で、「波」では長谷川郁夫さんの「吉田健一」でありました。
ボヴァリー夫人」論のほうは、青山さんの文章を読んだ後でも、当方が手にすること
はないのではないかと思うのでありますが、長谷川郁夫さんの「吉田健一」のほうは、
どこかで手にする機会をもちたいものと思わせました。
「波」に掲載の文章は、「マレビトの余生」というタイトルで、昨年の暮れに突然なく
なった大瀧詠一さんと吉田健一さんを、ともに65歳でなくなったマレビトと評していま
す。マレビト二人の余生について考えているのでありますが、こういう切り口があったか
です。
 長谷川郁夫さんは、もちろんかっての小沢書店主でありまして、まだ小沢書店をやって
いるときに、かってのユリイカ伊達得夫さんについての著作をだしたのをはじめとして、
小沢書店をたたんでからは、「第一書房 長谷川巳之吉」や「堀口大學」についての著作
を発表しています。どちらも労作でありまして、大部なせいもあり、価格が高いのが
たまに傷で、いまだ手にすることができておりません。

吉田健一

吉田健一