みすず読書アンケート 2

 今回の「みすず読書アンケート特集」で、複数の方があげた本がどのくらいあって、
一番重複したのがなんであるのかわかっておりませんが(どこかで、それを記して
いたかもしれませんが。)、四人の方があげた「日高六郎 95歳のポルトレ」は、
上位ベスト3にはいるのではないでしょうか。
 これをあげている方々も、バラエティにとんでいて面白しです。
 美術史家の酒井忠康さんの、この本へのコメントです。
「一人の若い作家が、高名な評論家との数次にわたる対話をもとにしてまとめた一種の
聞き書きである。戦後日本の動向について、適格な視点から発言し、しかも行動をもっ
て示した人が、いま95歳にして切々と語るこの回想は、心に深くひびいてくるものが
ある。」
 ちなみに酒井さんがあげている他のものは、つぎのようになります。
 宇佐見英治     「明るさの神秘」  みすず書房
 スーザン・ソンダク 「サラエボで、ゴドーを待ちながら」 みすず書房
 福岡道雄      「つくらない彫刻家」 ブレーンセンター
 斉藤郁子      「SCOTの軌跡を語る」 SCOT

 山田稔さんのコメントは、次のようにはじまります。
「 最近読んでもっとも心を動かされた本を一冊だけ挙げる。」
 ということで、一冊だけあげているのが「日高六郎 95歳のポルトレ」となります。
95歳の日高六郎は見事といい、黒川創についてはあっぱれといっています。
黒川さんのところと山田稔さんのところは近しいからなとは思うものの、当方も最近
の黒川さんの活躍は「あっぱれ」と思っているのでした。